大阪地検特捜部が手掛けた事件で違法な取り調べを行ったとして罪に問われた検事の裁判で、検察官役に指定された弁護士らが検察関係者数十人に事情聴取したことを明らかにしました。

 プレサンスコーポレーションの元社長・山岸忍さん(63)は、学校法人の土地取引をめぐる巨額横領事件に関与したとして、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されましたが、2021年に無罪が確定しました。



 山岸さんの元部下への取り調べで机をたたいたり、「検察なめんなよ」と脅したりした田渕大輔検事(54)について、付審判請求が認められ、特別公務員暴行陵虐の罪で7月10日から刑事裁判が始まります。現職の検察官が付審判の公判で裁かれるのは初めてです。

 初公判を前に裁判所から検察官役に指定された弁護士3人が会見を行い、有罪立証に向け検察関係者数十人に事情聴取したことを明らかにしました。

 (検察官役に指定された 山口昌之弁護士)「組織的な背景なり関与は当然あるものだと理解している。被告人側の主張なり意見がどのようなものであったとしても、有罪の立証に向けて最善を尽くす」

 検察官役の弁護士らは取り調べの状況を録画した1時間以上の動画についても証拠請求したいとしています。

 一方で、関係者によりますと、田渕検事は無罪を主張する方針だということで、取り調べが精神や身体的に苦痛を与えた陵虐にあたるかどうかが争われる見通しです。

 付審判制度とは、公務員による職権乱用などの事件で、検察が『起訴しない』と判断した場合でも、被害者の訴えを受けた裁判所が『裁判にかけるべき』と判断すれば、強制的に刑事裁判が開かれる制度です。今回は身内である検察組織ではなく、裁判所が指定した民間の弁護士が『検察官役』を務めます。

 今回の付審判をめぐっては、山岸さんが田渕検事について刑事告発し検察が不起訴処分としましたが、大阪高裁が2024年8月に「法廷で審理すべきだ」として付審判することを決めました。

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