【モデルプレス=2024/04/20】5月3日公開の日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』に出演する台湾俳優のシュー・グァンハン(33)となにわ男子道枝駿佑(みちえだ・しゅんすけ/21)が、モデルプレスらのインタビューに応じた。初共演となった互いの印象、撮影エピソード、18歳の頃の思い出などについて語ってもらった。


◆「青春18×2 君へと続く道」

本作は、国内興行収入30億円超のヒットを記録した『余命10年』の藤井道人監督最新作にして初の国際プロジェクトで、台湾で話題を呼んだジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」が原作。

始まりは18年前の台湾。カラオケ店でバイトする高校生・ジミー(グァンハン)は、日本から来たバックパッカー・アミ(清原果耶)と出会う。天真爛漫な彼女と過ごすうち、恋心を抱いていくジミー。しかし、突然アミが帰国することに。意気消沈するジミーに、アミはある約束を提案する。
時が経ち、人生につまずき故郷に戻ってきたジミーは、かつてアミから届いたハガキを再び手に取る。初恋の記憶が蘇り、あの日の約束を果たそうと彼女が生まれ育った日本への旅を決意するジミー。東京から鎌倉・長野・新潟・そしてアミの故郷・福島へと向かう道中で、彼女とのひと夏の日々が心にあふれ出す。

道枝はジミーが長野県飯山線の電車の中で出会うバックパッカーの青年・幸次を演じ、ほか黒木華松重豊黒木瞳らが、ジミーと旅の道中に出会う個性豊かな人々として登場する。

◆シュー・グァンハン、道枝駿佑の若さに驚き 国際プロジェクトで初共演

― まずは共演前に抱いていたお互いの印象と、 実際に撮影してから感じた印象をお聞かせください。

グァンハン:道枝さんは若手の人気アーティストなので、共演する前からもちろん存じておりました。
初めてお会いした時は、あまりの若さにびっくりしたことを覚えています。一瞬にして道枝さんのフレッシュさに包まれて、僕は彼よりも12歳も年上だということを実感させられました(笑)。

道枝:知ってくださっていたなんて…謝謝!僕は人見知りなので、グァンハンさんと初めてお会いした時はどういう方なんだろうと探り探りでしたが、すごく優しくしていただいて、現場でたくさんサポートしていただきました。スタッフさんからも「すごく優しい方だよ」と事前に聞いていたのですが、本当にその通りの方ですごく感動しましたし、とても穏やかで包容力のある方だなと感じました。

― 道枝さんは3月に行われたジャパンプレミアの時に、「撮影中に何かお助けできることがあれば」と思っていたとお話しされていましたが、現場で実際に日本語を教えたり、グァンハンさんから中国語を教わったりはしたのでしょうか?

道枝:日本語でわからないことがあれば、僕が何かお力になれたらと思っていたのですが、僕の力なんて必要ないくらい日本語がお上手でした!

グァンハン:チーファンラマ?

道枝:…あ!“ご飯食べましたか?”

グァンハン:そうです!道枝さんとは電車での撮影がほとんどで、待ち時間があったので、今言った言葉を教えました。「ご飯食べましたか?」という意味なのですが、台湾では「お元気ですか?」というような挨拶として使います。
現場には通訳の方もいたので特に言語を教え合うことはなく、「ニーハオ!」「謝謝」と挨拶を交わすくらいでした。

正直もっといろいろなことをお話ししたかったのですが、僕は日本語をあまり話せず、現場では静かにしていたほうがいいのかなとも思ったので、かなわなかったのが残念です。道枝さんが演じた幸次は、ジミーにとってもう一度自分の青春を思い出させてくれる重要な役柄だったので、僕もお芝居をしていてすごく印象深かったです。

― お2人とも今回国際プロジェクトに初参加とのことですが、いかがでしたか?

グァンハン:初めて日台合作の作品に参加することができて光栄ですし、とても興奮しました。何より自分にとっては、ある種チャレンジであり、初めて日本語を用いて演技をするということですごく面白いチャレンジなると思いました。ご存知のように、この物語は実話をもとに考案された物語なのですが、読んでいて非常に興味深かったです。
青春だけでなく、過去の悔しさなどを描いた物語でもあるので、特に大人の皆さんが観て何かを感じてもらえるような作品だと思います。

道枝:いろいろなご縁があり、藤井監督初の国際プロジェクトに参加させていただくことができて僕もすごく光栄でした。この作品に巡り合えたことが本当に嬉しいことだと感じていますし、今までこういったワンポイントの役柄を演じることがあまりなく、キーパーソンとなるような印象に残る役柄だったので、皆さんの目にどう映るのかすごく楽しみです。

◆シュー・グァンハン&道枝駿佑、初対面はまるで“フェイクドキュメンタリー”

― 実際に動いている電車の中での撮影で、藤井監督もこだわって撮影されたとのことですが、藤井監督の作品に参加して新鮮に感じたことや新たに発見したことなどがあれば教えてください。

グァンハン:藤井監督は本当に才能のある監督だと思っています。彼の映画を観ていると、すべてが自然に見えるんです。
おそらく藤井監督は頭の中で、“このシーンではどういう画が見えてくるのか”というのを事前に考えて準備しているのだと思います。一方で、現場では役者に対して「私はこういうものが欲しいです」とご自身が求めているものをわかりやすく伝えてくださったうえで、役者が自由に演じる空間をいつも与えてくださいます。

映画の随所でデザインや設計を表現していて、36歳を演じた僕のシーンに関しては、映像は全体的に冷たい感じでブルーのトーンなのですが、18歳の時は非常に暖かく、暖色系の色が使われていました。こういったところから見ていても、藤井監督はとても細かいところまでを表現していて、本当に素晴らしい才能だと思います。

道枝:ただでさえ限られた撮影時間で、実際の電車のダイヤで撮影するという、より限られた時間の中での撮影は僕としてはほぼ初めてだったので、集中しつつ楽しむことができたと思います。たくさんお芝居をさせていただいていますが、まだまだ新しいことがあるんだなという発見もできて、だんだん気持ちも上がっていきました。


― 最初にお2人でお芝居をした時の感触みたいなものは覚えていらっしゃいますか?

グァンハン:僕が電車に乗っている時に道枝さんが登場するのですが、本当にその電車内で初対面だったので、藤井監督はそのシーンで僕たち2人の出会いをフェイクドキュメンタリーのような手法で記録してくれたように感じました。

道枝:幸次は目に見えたものはすべて友達くらいのテンションで、誰に対しても初めから心を開いている役柄なので、登場の仕方にもインパクトがあります(笑)。写真を撮っている途中でトンネルに入るのですが、そのトンネルにさえ「おーい!トンネル!」とツッコんで、何気にそのツッコミ方が1番難しかった気がします(笑)。藤井監督の中でイメージしていたツッコミの音があったみたいで、絶妙なポイントだったので印象に残っています。

グァンハン:思い出しました(笑)。トンネルのシーンで言うと裏話があるのですが、トンネルに入ってから2人で話すシーンは、周りの音がすごかったので、実は別の日にこのシーンだけを撮り直したんです。

道枝:そうですね。実際は止まっている電車を揺らして撮影しました。

グァンハン:あの日は撮影が終わった後、スタッフの皆さんが「お疲れ様でした!はぁ、はぁ」と息を切らしていました(笑)。

― (笑)。お2人で雪合戦をするシーンはアドリブもあったとのことですが、振り返ってみていかがでしたか?

グァンハン:(日本語で)めっちゃ、寒い。

道枝:めっちゃ寒かったですね!(笑)

グァンハン:今でも覚えているのですが、とにかく2人で雪を投げ合って雪合戦をして、撮影が終わったら早く雪のないところに逃げようとしていました。なぜかと言うと、長時間雪の中に足を突っ込んでいると、だんだん靴に水が染み込んでいって、本当に寒かったからです。

道枝:本当にグァンハンさんのおっしゃる通りで、全部言ってくださいました(笑)。久しぶりにガチで雪合戦をした思い出です。寒いのを忘れるくらい、夢中になって雪合戦をしていたのですが、撮影が終わると雪が靴の中に入って、足がすごく冷えていました(笑)。でもすごく楽しいシーンになって良かったです。

― 雪合戦のおかげで言葉の壁を超えて通じ合うことができましたか?

グァンハン:雪のおかげで、しっかりコミュニケーションを取れていないです(笑)。でも僕は雪合戦をあまりやったことがなかったので、あのシーンは本当に楽しかったです。道枝さんが言うように夢中になって、興奮していました(笑)。

◆シュー・グァンハン&道枝駿佑、18歳の思い出&36歳の自分を語る

― グァンハンさんが18歳と36歳の姿を演じられていますが、18歳の頃の思い出と、36歳の頃にどんな人になっていたいか、今想像されていることがあればお聞かせください。

グァンハン:僕はスポーツが大好きなので、18歳の頃はおそらく毎日スポーツばかりをやって汗臭い若者だったと思います。特にちゃんとしたことはせずフラフラしていて、みっともない男の子でした(笑)。あと2年で36歳になるので、1年1年歳を重ねていって、より大人になっていくだろうと想像しています。36歳になって振り返った時に、きっと今この時点で言っていることに対しても「なんだ、こんな幼稚なことを言っていたのか」と偉そうに言えるでしょう(笑)。

道枝:僕が18歳の頃は…と言っても3~4年前なのですが…

グァンハン:(若さに驚いて)1ヶ月前ですか?

道枝:そんなに最近ではないです(笑)。18歳の頃はまだCDデビュー前だったのですが、コロナ禍でライブができない状況というのもあって、わりと探り探りの時期だったと思います。ちょうどその頃、舞台『Romeo and Juliet -ロミオとジュリエット-』に出演させていただいて、がむしゃらに取り組んでカロリーをすごく使ったので大変でしたが、あの経験はとても大きかったなと思います。

― 道枝さんが36歳になるのは15年後くらいですね。

グァンハン:(驚きの表情で頭を抱える)

道枝:そうですね(笑)。15年後…、あまり想像がつかないですが、グァンハンさんのような色気のある男性になっていたいです。

グァンハン:道枝さんは、何か誤解をしているようです。

道枝:そんなことないです!本当にそう思っています。

グァンハン:ありがとうございます。

― 劇中でジミーとアミが岩井俊二監督の映画『Love Letter』を観に行くシーンがありますが、グァンハンさんと道枝さんが青春時代に観た映画で、印象に残っている作品を教えてください。

グァンハン:僕も若い頃に『Love Letter』を観て、岩井俊二監督の作品で言うとほかにも『リリイ・シュシュのすべて』も観ました。観た映画がたくさんありすぎて、なかなかすぐには思い出せないです…。道枝さんは今がまさに青春時代だと思うので、昨日観た映画でもこの質問に答えられるでしょう(笑)。

道枝:(笑)。僕は父と一緒に映画館へ観に行った『君の膵臓をたべたい』が印象に残っています。もう結構前の話ですが、1回の映画の中で5回も泣いてしまったくらい感動しました。僕は『ワイルド・スピード』が好きで、あまり感動モノの作品を観に行ったことがなかったのですが、この映画をきっかけに、もっと観てみたいなと思いました。最近は行けてないのですが、父とは昔から2人で出かけるくらい仲良しです。

グァンハン:新垣結衣さんと三浦春馬さんが出演していた『恋空』を映画館へ観に行ったことを今思い出しました。どういう状況で観に行ったのかは覚えていないのですが、僕は昔から香港映画と日本映画を観て育ちました。

◆シュー・グァンハン&道枝駿佑、台湾での旅を約束「ドライブしましょう」

― 旅をテーマに描いている本作にちなんで、旅の思い出や、旅をしてみたい場所などあればお聞かせください。

グァンハン:僕は最近、1ヶ月かけてヨーロッパのあちこちを旅したのですが、いろいろな人に出会い、勉強になったことがたくさんありました。広い世界に比べて自分はちっぽけな存在だとつくづく実感させられました。ちょうど映画のセリフでもありましたが、この広い世界からしてみたら自分の存在なんて小さなものなので、いちいちこだわることなく、どんどん前に向かって邁進することが大事だと考えさせられました。旅で出会った人たちは、考え方や人生そのものを変えてくれるかもしれません。ですので、旅に出かけることはとても大切だと僕は思っています。

道枝:僕は一人旅をしたことがないのですが、視野が広がるし価値観も変わると思うので、これからしてみたいです。まだ見たことのない世界が広がっていると思うとわくわくしますし、海外の観光地もテレビで見た部分しか知らず、それ以外に素敵な部分がたくさんあると思うので、自分の目に焼き付けたいです。

― 今度は道枝さんが台湾に行くというのはどうでしょうか。

道枝:行きたいです!

グァンハン:OK!ドライブしましょう!

道枝:すんなりOKが出ました(笑)。

グァンハン:運転はできますか?

道枝:運転免許を持っていないです…。教習所の期限が切れました(笑)。

グァンハン:なるほど!それは残念です。僕がもし道枝さんを台湾に案内するとしたら、日本の皆さんにとって馴染みのあるジォウフェンや金山がいいかなと思います。古い街並みがまだ残っていますし、海沿いの道路に沿ってドライブをするととても気分が良いので、そこには絶対行かなきゃと思います。

道枝:劇中でもグァンハンさんが実際にバイクを運転していて、お上手だと聞いたので、ぜひ後ろに乗りたいです!

グァンハン:バイクは台北で生活をするためにとても重要な交通手段です。学校に通うときはもちろん、会社に行くのにもバイクが便利なので、やむを得ず乗るようになりました。道枝さんも3ヶ月滞在すれば、上手に乗れるようになりますよ!

道枝:本当ですか?行こうかな(笑)。

― 実現することを願っています!素敵なお話をたくさんありがとうございました。

日本と台湾、海を超えて初共演となった2人。インタビューでは、撮影から華やかなオーラ全開で現場にいたスタッフを全員虜に。道枝は電車のホームでそのままグァンハンと別れて以来の再会ということで、初めは緊張していた様子だったが、ユーモアあふれるグァンハンとのトークで徐々に表情も和らぎ、笑顔を見せていた。日台の豪華タッグとプロジェクトが、また新たな道へと繋がっていくことだろう。(modelpress編集部)

◆シュー・グァンハンプロフィール

1990年10月31日生まれ、台湾出身。俳優。2013年より本格的に芸能界デビュー。2020年、ドラマ『時をかける愛』で第55回金鐘奨の連続ドラマ主演男優賞にノミネートされ、連続ドラマ作品賞など4部門を受賞。中華圏のほか、韓国でも絶大な人気を誇るアジアのスターで、2022年に2日連続ソウルで行われたファンミーティングのチケットは5分で完売。韓国ドラマ『No way out』の出演も控えており、初めて韓国でデビューした台湾俳優となる。

◆道枝駿佑(みちえだ・しゅんすけ)プロフィール

2002年7月25日生まれ、大阪府出身。愛称はみっちー。2014年に事務所に入所。2017年4月期放送の日本テレビ系ドラマ『母になる』でドラマ初出演。2018年10月に結成されたなにわ男子のメンバーに選ばれ、2021年11月12日に『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー。2022年4月期放送の日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』で連続ドラマ単独初主演。同年7月29日公開の映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で映画初主演。ほか近年の主な出演作は、TBS系ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』(2023)、テレビ朝日系ドラマ『マルス-ゼロの革命-』(2024)など。中国や韓国などアジア圏でも高い人気を誇り、韓国では本名をもじって「ミチゲッタシュンスケ」と呼ばれている。

◆スタッフクレジット

・シュー・グァンハン
ヘア:Edmund Lin From Zoomhairstyling
メイク:美少女工作室prettycool / 高秀雯Kao Hsiu Wen

・道枝駿佑
スタイリスト:井元文子(FUMIKO INOMOTO)
ヘアメイク:三浦由美

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