誰もが知るポルシェの名車「911ターボ」。初代が発売開始から45年目となる今年、フルモデルチェンジを遂げたのが「911ターボ S」だ。

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ポルシェ911シリーズ待望の最高峰モデル「911ターボS」と、そのオープン版「911ターボS カブリオレ」が追加され、このたび受注が始まった。

「ターボ」はスポーツカー好きの誰もが憧れるステータスシンボル、超高性能&実用GTカーを実現するポルシェで最もゴージャスな911なのである。

ポルシェのアイドル「911ターボ」の最新型は、今も我々の憧れなのか?
走りも快適装備もの911の歴史上最高峰である新型「911ターボS」は、3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力650psを発生し、8速PDK(※ポルシェ ドッペルクップルングというポルシェ独自の変速機構)を介して4輪を駆動する。

こちらの記事でも紹介した「最新こそ最良のポルシェ」の殺し文句よろしく、911ターボ史上最速&最強パフォーマンスが与えられているのは言わずもがなだ。


憧れのポルシェのなかの、永遠のアイドル

初代「911ターボ」登場は奇しくも日本のアイドル文化が始まったとされる1970年代のこと。1974年に初の市販ターボチャージャー搭載車として生まれた。

ターボとは排気ガスの流れを使ってエンジンに空気を供給する機構で、より大きなパワーが得られるエンジン過給機のことだ。

ポルシェのアイドル「911ターボ」の最新型は、今も我々の憧れなのか?
 進化を遂げた「911ターボS」(手前)と初代「911ターボ」(奥)。

初代が最高出力260ps、最高速度250km/h以上という優れた性能で登場して以来、「911ターボ」は常に世代世代の最強スペックで、いつしかポルシェのアイドル的存在となった。

そして近年、同じく911シリーズのRS(=レーシングスポーツの意)モデルの登場により、ターボは明確にキャラを差別化。

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ターボは武骨なハイパフォーマーから路線を変更。最新ハイテク技術満載のゴージャスなグランド・ツーリングカー、といった位置付けに。電子制御によって最高性能と相反する快適な乗り味を追求し、さらにアイドル的ポジションを確立している。

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パワートレインはターボ専用のチューニングが施された8速PDKを介して4輪を駆動。


努力し続けるアイドル

今回登場した「911ターボS」は、ポルシェがまったく新しいパワーユニットと謳う新設計3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載。

先代モデル比で最高出力&最大トルクをそれぞれ70ps/50Nm拡大した650ps/800Nmを発生。

最高速度は330km/hに達した。

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特筆すべきは、前輪に最大500Nmもの強大なトルクを伝達する、新しい駆動トルクの前後配分システムだ。これにより0→100km/h加速は3秒を切る2.7秒という俊足ぶり。

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クーペとともにカブリオレが同時発表された「911ターボS」。いずれも右ハンドル仕様。

「911ターボS」はこれまでと同じくクーペとカブリオレを用意。エクステリアは、初代の特徴的なデザインはそのままにボディサイズを拡大している。

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速度に合わせて膨張するお馴染みの可動式フロントスポイラーと、油圧式の大型アクティブリアウイングはダウンフォースをさらに強化。

登場から45年が経った「911ターボ」。その立場は決して揺らぐことはない。常に弛まぬ進化を続けてきたからこそ、“ターボ”は911ピラミッドの最高峰を意味する、絶対性能の証として続いていくのだ。

ポルシェのアイドル「911ターボ」の最新型は、今も我々の憧れなのか?

カストロトシキ=文