小泉進次郎防衛相と防衛省で面会し伝えたという。
中SAMは敵の航空機や弾道ミサイルの迎撃を目的とするミサイルシステムだ。中国が開発を進める極超音速滑空兵器などへの対処が念頭にある。
今年2月、小泉防衛相は配備時期について「2030年度」と言及。翌3月に開かれた住民説明会では住民から「攻撃されるのではないか」「なし崩しの増強で不安」など懸念の声が相次いでいた。
上地町長は上京前にも住民数人と意見交換し「町議や町民から幅広く意見を聞いた上で(国に)伝える」として8月にも住民懇談会を開くとしていた。
それが、数日後に事実上の容認を政府側に伝えるとは一体どういうことなのか。意見を集約し、町民や議会に説明するのが先だろう。
上地町長は小泉防衛相との面会後「防衛、安全保障政策は国の専権事項だと認識している」とも述べた。
しかし、地域の安全と住民の暮らしを守るのは自治体の長の責務でもある。これは安保の議論ではなく生活の話だ。当然、自治体の長として意見を言わなければならない。
そもそも町長自身、昨年の町長選では「国の専権事項だからと言って、何でもかんでもやっていいというわけではない」と発言しており、矛盾していると言わざるを得ない。
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与那国駐屯地が開設されて今年で10年。当初配備されたのはレーダーを用いて周辺の船舶や航空機を監視する沿岸監視隊だ。
それがこの間、空自のレーダー部隊や陸自の電子戦部隊まで常駐。昨年の日米共同訓練では、陸自のオスプレイが離陸直後にバランスを崩して機体を損傷する事故も発生した。
本年度中には対空電子戦部隊も配備される。加えて中SAMは与那国で初のミサイル配備だ。島の軍事化が一段と進む状況について上地町長は「抑止力は高まると考えている」と発言した。
だが、与那国は国境の島だ。そうした地域でミサイル配備を進めれば、逆に中国も配備を強化し「安全保障のジレンマ」に陥る危険性がある。
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上地町長のミサイル配備容認は、町の人口減少対策や医療体制維持への支援を求める要請の場で伝えられた。地域振興と引き換えにしたように映る。
しかし、本来、予算は必要に応じ必要な事業に対し計上されなければならない。
昨年8月の町長選で上地氏が当選した背景には、「これ以上の軍備強化は望まない」という民意があったのではないか。
意見の集約も、丁寧な説明もないままの容認は将来に禍根を残す。

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