家族で過ごす時間や校外学習のため、子どもが平日でも学校を休める「ラーケーション」が県内自治体で広がっている。
 歓迎の声が多い一方、家庭の経済状況による格差を心配する声もある。
課題への対応を進めながら、体験的な学びを深める制度として育てていきたい。
 まだなじみは薄いが、ラーケーションは「ラーニング(学び)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語。
 県内では観光産業に従事する保護者も多く、土日に休みが取りにくい家庭で親子の時間を確保しようとの狙いがある。
 平日に学校を休んでも欠席扱いにならず、年3日程度取得できる仕組みだ。 
 2024年度に座間味村で始まった。本紙の調査では既に15市町村が導入。年内には17市町村まで増える見込みで、全体の4割を超える。
 県立高校など県立学校も昨年からスタートしており、教育現場では急速に浸透している。
 県教育庁の調査によると、県立学校における昨年8月から今年3月までの取得者は、全体の約2割に当たる8168人。
 活動内容は「県外渡航」が多く、親子の「心身のリフレッシュ」「コミュニケーションの充実」が図られたとする。8割近くの保護者が「継続」を求めるなど評価は好意的だ。
 県の制度では活動内容についての言及はないが、学校を飛び出し、親子で一緒に何かに挑戦するきっかけになれば、子どもの心身の成長につながるだろう。

■    ■
 懸念は、経済状況により取得に積極的な家庭と、二の足を踏む家庭との間で生じかねない「体験格差」だ。
 県の24年度「こども調査」でも、「1年に1回の家族旅行」の項目で一般世帯と困窮世帯の格差が顕著だった。
 学びには、教室で教わったり、本を読んで得る知識とは別に、体験を通して育まれるものがある。
 自然の神秘に触れる体験や、住んでいる地域とは違う文化に接する機会は、子どもたちの感性を磨き、視野を広げ、成長を促す。
 自治体がラーケーションの旗を振るのだから、既存施設を活用した親子参加型プランを企画するなどの目配りも必要である。
 経済的に厳しい家庭の取得を後押しするため、費用を支援する制度も必要ではないか。
■    ■
 基本的に休んだ分の授業は、自主学習で補うことになっている。授業のプリントなどの配布は、学校に任せているところが多い。
 保護者が学習の遅れを心配し利用をためらうことはないのか。授業のフォローで教師の負担が増えないか。
 始まったばかりの制度である。
 利用状況を調査した上で、効果と課題を注意深く分析し、対応してもらいたい。

 体験型プランの提供など民間の協力も重要といえる。
編集部おすすめ