ごくまれにだが、寝しなに叫びたくなるくらいに恐怖する瞬間がある。このまま身体も意識も消えてしまったらどうしようと。
鬼籍に入ってしまった友人もたくさんいる年齢で、いつその時がきても不思議はないと頭では理解しているのだが、前触れもなく襲ってくる恐怖をまだコントロールできないでいる。
 映画は、地球の終末を暗示する不穏な状況からスタートする。人類が当たり前に享受してきたさまざまなものが一つ一つ、もぎ取られていく。無くならないのは町中の「チャック、39年間ありがとう」の看板だけ。
 なすすべもない絶望の中で、人々は今一緒にいたい人を求める。何のために生まれ、どう生き、どう死ぬか。宇宙の片隅のちっぽけなかけらの自分でも、かけがえのない存在なのだと、チャックは信じさせてくれる。説明しがたい不思議な映画。
(スターシアターズ・榮慶子)
◇ミハマで上映中
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