名護市辺野古沖で船2隻が転覆し高校生と船長の2人が亡くなった事故を巡り、沖縄総合事務局が、船を運航する「ヘリ基地反対協議会」に対して過去に乗船した報道関係者や国会議員の履歴を求めていたことが判明した。
 事故は3月16日、同志社国際高校の研修旅行中に起きた。

 総合事務局は船の運航が海上運送法の許可・登録を要する運送行為だったかを判断するとして、文書で協議会側に運航状況などを照会している。
 今月8日付の質問書で尋ねたのは、協議会と船長の雇用関係や、高校生の乗船に関する金銭の支払いの有無など事故に直接関係のある事柄のほか、過去に乗船した国会議員、報道関係者らとの金銭授受の有無など20項目だ。
 これに対し市民団体は19日付書面で全ての項目について回答。過去に報道関係者や国会議員などが乗船した際の金銭授受については「ない」とした。
 ところが総合事務局は25日付で再度、質問書を送付。その中で、改めて過去に乗船した国会議員14人の名前と乗船した年を明記し、それ以外にも誰をいつ乗船させたのかを尋ねたのである。報道関係者についても乗船日時や乗船の募集方法について詳しく質問した。
 運航が海上運送法に基づくものかどうかを知る上で、第三者の乗船頻度を確認する目的があるのかもしれない。
 だが、こうした情報は議員活動や報道の自由にもかかわる。行政がそうした情報を広範に収集することは異様に映る。
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 事故について総合事務局はすでに死亡した船長が船を無登録で運送したとして海上運送法違反容疑で告発している。
 第11管区海上保安本部も捜査を進めているほか、船舶事故の際に操縦士などの資格保持者に対して懲戒処分を行う海難審判所も聴取を行っている。

 そうした中で調査として行うこれらの情報収集は、どういう法的根拠に基づくものなのか。収集された情報は誰に報告され、どのように利用されるのか。はっきりとした説明を求めたい。
 協議会は政府が進める新基地建設への抗議活動を続けている。
 こうした住民の意見を聴取し、行政を監視することは国会議員の役割である。行政がその活動を詳しく知ろうとすることは、議員活動を監視するようなものであり、甚だ不適切だ。
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 辺野古事故を巡っては、文部科学省が高校側に例のない教育基本法違反を認定した。
 総合事務局の再質問も含め、この間、目に付くのは政府の側の「政治性」である。
 重要なのは二度とこうした事故が繰り返されないよう原因究明を徹底し、安全管理上の責任がきちんと問われることである。
 2人の尊い命が失われた痛ましい事故を政治利用するようなことがあってはならない。
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