実業家のひろゆきこと西村博之氏が、“将来の不安なく、自由に伸び伸び生きる”方法を説いた著書『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)を5月1日、発売した。高物価時代を乗り切る方法を「ドケチ王」ひろゆきが納得の理論で展開する同書から、落ち込んだ時に心を整理する方法についてつづった内容を、一部抜粋して紹介する。


■落ち込んだときは単調な動画を眺めよう

 心が傷ついたときは判断力が鈍りがちだ。そして時に感情が高ぶるあまり、普段は取らない衝動的な行動に走ってしまうことがある。

 やけ酒や暴飲暴食、高価な買い物に旅行……。それによって気分は和やわらぐかもしれないがその場限りだ。あとで振り返ると、ムダな出費に後悔するだろう。

 情緒が不安定なときは、しばらく“決断をしない時間”を設けるにかぎる。

 だからといって、なにもしないのはダメだ。そうなるとかえって不安や焦りが募り、これまた衝動的な行動に走りかねない。

 ではどうすればいいのか? 頭を使わずに時間を過ごせるような無機質なコンテンツに触れるのがベストだ。 動物園のライブカメラや、焚き火を映しているだけの調理動画、あるいは大自然の様子を映す動画なんかもいいだろう。

 ストーリー性がなく、ただただ静かな情報が流れていくだけの動画を眺め、余計な思考を排除する。それで心の整理が促されるのだ。


 僕も昔、失恋したときに科学技術振興機構が提供している「THE MAKING」という動画を見続けた記憶がある。レトルト食品がどうやってつくられるのか。工場でアイスクリームがどんな工程でできるのか。身近にある品がどのように生まれるのかを淡々と紹介するだけの動画である。

 機械が動き続け、原材料が少しずつ完成品に変わっていく様子を見ていると、妙に心が落ち着いた。おかげで変に感傷的にならずに済んだ思い出がある。

 まったくもって非生産的な時間である。でもそれがいいのだ。なにせ目的は「時間を稼ぐこと」だけだからだ。

 どんな傷心も、時間が経てば自然と癒えていく。気分が落ち込んでいるときに下した決断はろくな結果を招かない。 それを避けることができれば、損失は最小限に抑えられるのだ。
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