「インタビューをしていただく機会が普段はございませんので、大変緊張しております」と、大きな目を見開きながら白い歯を見せる、日本テレビの石川みなみアナウンサー。自身がメインアナウンサーを務める『高校生クイズ2025』にて、全国の高校生たちが見せる純粋な喜怒哀楽に勝るとも劣らない、キラキラした笑顔が眩しい。
この日も、顔出しNGの敏腕ライターたちが、注目のタレントの素顔に迫る『ライターズ!』(日本テレビ系/毎週日曜 深1:30)の収録がスタートした。

■高校生に負けじとパーソナリティーも個性豊か

 石川アナは、9月9日午後8時より放送される『高校生クイズ2025(以下、高校生クイズ)』でメインアナウンサーを担当する。昨年に引き続いての出演ということもあり、前回の経験が生かされているという。

 「昨年と同じく、問題を読む時に噛まないことを意識していました。というのも噛んでしまうと、そこで高校生たちの集中力を削いでしまったり、流れを崩しかねないので。あと出演者の中で、一回戦から決勝まで全てを見届けているのが私だけなので、高校生の個性が際立つようなサポートをしつつ、パーソナリティーの皆さんと高校生の架け橋になるような気持ちでやらせていただきました」。

 中でも、問題を読むことに関しては細心の注意を払った。

 「高校生は問題を読むことを“問い読み”と言うのですが、『高校生クイズ』では問い読みが全てを握っていると言っても過言ではないくらい重要。昨年よりもしっかりと読めるように、今年はクイズ作家の方や、過去に番組で問い読みをされていた先輩である藤田大介アナウンサーにクイズの読み方ならではの、抑揚やコツなどを細かく教わって臨みました」。

 実際の会場の雰囲気について訊くと「インターハイと修学旅行が混ざったような感じと言いますか……」と続ける。

 「勝利に向けて全身全霊をかけてクイズに取り組む姿はスポーツそのものですし、その一方でクイズを通じてチームメイトはもちろん、友情や絆が強まっていく姿を見ると修学旅行みたいな雰囲気もあってかなり心が揺さぶられました。今風にいうと“エモい”ですかね? そんな気持ちになりました」。


 今年もパーソナリティーとして、お笑い芸人のチョコレートプラネット、モデル・タレントの佐藤栞里、そして昨年に引き続き人気アイドルグループSixTONESが番組を盛り上げる。

 「チョコプラのお二人は、一体感のある空気を作るのがとてもお上手。お二人がいると『高校生クイズ』のチームとして出演者や制作スタッフに至るまで、みんなが不思議と一体になれるんです。あと天候の都合などでスケジュール通りに進まない時など、ハプニングが起こったりして現場の士気が下がってしまいそうな時、カメラが回っていないところでも場を明るくしてくれて。すごく優しくてありがたかったです」。

 「佐藤栞里さんは個人的に大好きで、『ピチレモン』という雑誌でモデルとして出演していたときからずっとファンなので、共演させていただけてうれしかったです。本当に裏表がなくて愛にあふれる方といいますか、あふれすぎて途中で高校生よりも泣いてたくらい(笑)。高校生たちが抱く感情を全部受け止めてくださるんです。高校生は何でも知っている天才たちといった感じで大人びた部分があるのですが、栞里さんの前だと、普通の高校生らしくなるというか、愛らしい本性を自然と見せてくれて。栞里さんのおかげで高校生たちの違った一面が垣間見えると思うので、そこもぜひご覧になっていただきたいです」。

 「SixTONESの皆さんは2年連続ご一緒させていただいて、”高校生たちのお兄ちゃん”という存在。高校生が気さくに話しかけられる空気をつくって、親身になって寄り添ってくださって。
お忙しいスケジュールの合間を縫って出演者一人一人の顔や名前を覚えてくださるなど、他のパーソナリティーの方と同様に、番組への愛情を強く感じました」。

 収録の裏側では、SixTONESのメンバーが抱く“番組愛”が垣間見えた瞬間があったそう。

 「決勝の舞台が沖縄だったのですが、現地での移動中、ロケバスの中でクイズ大会をしていらっしゃったんです。森本(慎太郎)さんが過去問を調べて出題をして、他のメンバーの皆さんとマネージャーさんが一丸となって回答するっていう。その光景を見て皆さんがクイズに全力で向き合ってくださっていると感じて、勝手に胸が熱くなってしまいました」。

 「ファイヤー」や「ヴィクトリー」など、『高校生クイズ』では毎年パーソナリティーによる決めゼリフが存在する。昨年に引き続き今年は「ビリーブ」。決めゼリフに絡めて、石川アナが信じて疑わないことについて訊いた。「『高校生クイズ』に限らず、番組を担当させていただくうえでの心構えですが」と前置きをしつつ続ける。

 「担当する番組の一番のファンでいることを大切にしています。私は今年の3月まで『ZIP!』という朝の情報番組でエンタメコーナーを担当させていただいたのですが、先ほどの言葉は『ZIP!』でMCを務めている水卜麻美アナウンサーに言っていただいた言葉で。『高校生クイズ』のメインアナウンサーを担当するに当たって、どんな心構えでいたらいいのか訊ねたら『私がいつも心がけているのは、担当する番組の一番のファンでいること。
そうすると出てくる言葉も変わるし、見える景色も違ってくるから』って。それ以来、この姿勢はずっと大事にしています。『高校生クイズ』の収録では、私が一番のファンとして、高校生の皆さんには1秒でも無駄な時間がないよう、全ての瞬間を楽しんでほしいと思いながら臨みました」。

■保育園でのパフォーマンスを機に…“所属”へ

 後半パートでは『高校生クイズ』に絡めて、石川アナの青春時代について語ってもらった。フリップに書かれた言葉は「走」。

 「5歳から13年間、高校3年生まで陸上競技をしており、とにかく走りまくっていたのでこの字を書かせていただきました。『高校生クイズ』に参加してくれた高校生がクイズに青春を捧げることと同じく、私は走ることに夢中でした」。

 保育園の運動会で見せたあるパフォーマンスが、陸上の世界へ入るきっかけになったそう。

 「アンカーで走った際、前に走っていた子を追い抜いてゴールしたんです。それを『広島ジュニアオリンピアクラブ』という、為末大さんや山縣亮太選手といった日本を代表する陸上競技選手を輩出した地元のクラブチームの先生が見ていたことで所属することになって。それからというもの、夏は短距離、冬は長距離でガンガン走っていました。引退後は箱根駅伝に携わりたいという思いから、進学先や就職先を選びました。
こうやって振り返ってみると、まさか走ることが、これほどまでに自分の人生に大きな影響を与える大事な存在になるとは思ってもみませんでした」。

 素朴なギモンとして、ひたすら走り続ければ息が切れ、体力的につらくなることは自明の理。それでもなお走り続ける理由、また走ることでしか得られない魅力とは一体何なのだろうか。「それ、よく聞かれるんです」と破顔しながら答えた。

 「無心になれることですかね。思い詰めていることがあっても、走っている間はそういったネガティブな考えは全く浮かびませんし、何よりすっきりするんです。今も大好きで定期的に走っています」。

 最後に『高校生クイズ2025』の見どころについて、再びフリップにしたためてもらった。書かれていた言葉は「全力が生む人間ドラマ」。

 「クイズに青春を捧げてきた高校生が、全力でクイズに向き合っています。各ステージには、全力だからこそ生まれる人間ドラマがあるんです。全力で挑んできたからこそ練習の成果が発揮できたり、逆にエネルギーに満ちあふれる会場の空気にのまれてしまって普段なら間違えないイージーな問題に迷ってしまったり。
また、仲間を信じているからこそ助けられる場面もあったりするなど、あらゆるシーンで高校生に宿る濃厚な青春がほとばしっています。この『全力が生む人間ドラマ』を、ぜひ見ていただきたいです」。
※取材の模様は、7日放送の『ライターズ!』(日本テレビ系/深1:30)でもご覧いただけます。
※放送後はTVerでも期間限定で配信されます。
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