今回のビジュアルは、田沼意次の時代が終わり松平定信による「寛政の改革」が進む中で描かれる。倹約令や出版統制により文化までも制限される時代にあって、蔦屋重三郎が書をもって世にあらがう姿がテーマとなっている。群衆に紛れながらも、強いまなざしで未来を見据える蔦重の姿が印象的だ。
撮影は第一弾に続き写真家・今村圭佑が担当。長年の信頼関係を築いてきた横浜を、群衆の中で際立たせる瞬間を捉えている。今村は映画『新聞記者』『百花』『リボルバー・リリー』『四月になれば彼女は』などを手がけてきた実力派で、米津玄師や宇多田ヒカルのMV撮影も担当している。
アートディレクターは加藤秀幸が務めた。加藤は「大河ドラマをデザインすることは、独立以来の夢でした。作品に関わる多くのスタッフの皆さまとの対話や試行錯誤を重ねながら、ひとつの世界観を形にできたことを大変うれしく思います。多くの力が結集して生まれたこのポスターが、作品の魅力を伝える一助となれば幸いでございます」とコメントを寄せた。
放送100年を迎える2025年は、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、ときに“お上”に目をつけられても“面白さ”を追求し続けた人物“蔦重”こと、蔦屋重三郎が主人公。親なし、金なし、画才なし……ないないづくしの“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快楽児・蔦重は、文化隆盛の江戸時代中期に喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝を見出し、日本史史上最大の謎の一つ“東洲斎写楽”を世に送り出す。