今回ORICON NEWSでは、ドラマ『ヴィンチェンツォ』『太陽の末裔Love Under The Sun』『財閥家の末息子~Reborn Rich~』など多くのヒット作に出演してきたソン・ジュンギにインタビューを実施。前編となる本記事では、出演を決めた理由や役作り、撮影現場でのエピソードなどを聞いた。
■久しぶりのロマンス作品「人間味のある日常的な物語をやりたかった」
――まず、役どころを教えてください。
私が演じたソンウ・ヘの職業はフローリストです。子どもの頃、すごく有名な韓国の子役でした。ただ、あまりにも有名であったがゆえに、幼い頃からいろんなことで心の痛みを受け、また人の裏切りを経験し、大人になってもそれを引きずっていて、子どもの頃のままにとどまっている部分もあるような、少し胸が痛むキャラクターです。
――本作は久しぶりのロマンス作品です。どういったところに惹かれて、この作品への出演を決められましたか?
今までやった作品とは違うジャンルをやるのが好きなんです。この前の作品『財閥家の末息子 Reborn Rich』は、ストーリーが強くて、その中でも、すごく巨大な、大きな世界観を表現するものでした。それとは違って、こじんまりした中で、人間味のある日常的な物語というものをやりたいなと思ったときに、この台本と出会えたので、出演を決めました。
――台本を最初に読んだときの感想はいかがでしたか?
まず、この作品の台本を受け取って最初に読んで感じたこと…その感情というのは「切ない胸の痛み」、そして「ときめき」だったと思います。
■役作りはキーポイントとなる子どもの頃の感情に集中「第2話の台本を読み続けた」
――今回、小説家として活動する傍らフラワーショップで働くソンウ・ヘを演じられました。役作りでされたことはありますか?
表面的な職業がフローリストなので、ドラマ撮影の前から、フラワーアレンジの勉強をしたり、庭園を管理することを学んだりしました。フローリストの先生と一緒に花の問屋街にも行きました。今までは普段、フラワーアレンジをしたことがなかったんですけど、どのようにしたらきれいにアレンジすることができるのかとか、色はどのように配合したらいいのかとか…そういうことを学んだりしました。
また、このキャラクターに最も大事なのは、子どもの時に受けた傷や愛の欠乏とか…そういうものだと思います。第2話では、子どもの頃の2人、ソンウ・ヘとソン・ジェヨンのお話が出てきます。その部分は自分が演じていませんが、あの時の感情に集中しようと思い、出てないシーンにもかかわらず、ずっと第2話の台本を読み続けました。
――「青春を振り返るような特別な作品」とコメントされておりましたが、共感したシーンを教えてください。
ソンウ・ヘという人物は、子どもの頃にすごく大きな心の傷を受けて、それを抱えて1人だけの世界に閉じ込められている人物なんですよね。
ソンウ・ヘのように大変なことは、自分の人生はなかったんですけど、私の周りにも優しい人たち、自分に影響してくれる人たちがたくさんいるので、その人たちにこう影響されていることを考えると、そういうところでは共感を得ることができるのではないかなと思っております。
――今回、『ユミの細胞たち』『知ってるワイフ』など、名作ラブコメを数々手がけてきたイ・サンヨプさんが監督を務められています。演じるにあたって、指示はありましたか?
予告編をご覧いただくと、その映像からお分かりになるかと思いますが、監督はとても叙情的な方、そしてとてもソフトなやわらかな性格の持ち主です。現場では僕とチョン・ウヒさんをとてもリラックスした気持ちにさせてくれる、そんな長所がおありの方です。演技をするのにあたっては、まずは俳優である僕たちのことを信じてくださいました。そして、ご自分の意見がある場合は助言をくださるという形でした。
■撮影現場は「すべてが花畑」 日本の皆さんに「細やかな美しい感情」を楽しんでもらいたい
――今までと違った作品をやってみたかったとおっしゃっていましたが、実際この現場を経験して、どんなことを感じられて、どんなことが糧になりましたか?
すべてが花畑でしたね。本当に花畑だったんですよ。室内の撮影は、花屋だったり、野外で撮る時には公園だったり、森の中、山、野原でした。全体の雰囲気というものを監督が青々しい感じ、自然をたくさん撮るようにしてくださったんですよね。
今まで演じたキャラクターの中で考えると、今回は普段の自分と違いがありました。僕はじゃれ合うこととか、いたずら心が多いんですよね。なので、現場でもアドリブをしたいんですけど、それを我慢するのが大変でした(笑)。
――本作の見どころを教えてください。
ソンウ・へという人物が、久しぶりに大人になってソン・ジェヨンに再会し、昔の記憶をたどりながらも、2人の今の感情を見つけていく、とても美しいロマンスドラマとなっています。韓国で僕たちが作った作品を、日本の視聴者の皆さんはどういうふうに受け止めてくださるのかが、とても気になります。
また、韓国以外の国に他の文化を持った国の皆さんが、この作品をどう感じてくれるのか、どう見てくれるのかというのをいつも気にしています。日本のファンの皆さんが、本作の細やかな美しい感情を、ぜひ楽しんで見ていただきたいなと思っています。