8歳からマジックを始め、中学生でプロになった夫。
神戸にある、マジシャンが店長のバーで出会った2人。妻は友人に連れられて、夫も客として通っていた。その後、店長が妻に夫をマジシャンだと紹介。当時の夫は髪が長く毛先が金髪で、「チャラそう」というのが妻からの第一印象。対する妻も、カウンターチェアに三角座りをし、コアラがお尻をかくショート動画を何十回も観ていて、最初の印象は「変」だった。しかし、バーで、夫が妻を相手に数々のマジックを披露。ハーモニカの描かれたカードを吹くと音が鳴る、というマジックで妻の心をつかんだ。
ある日、ラスベガスでの2年契約の仕事の話が夫に舞い込んできた。
渡米まで、たった1ヶ月の同棲生活をスタート。夫は胃袋をつかまれ、妻をより好きになったという。なかでもお気に入りの料理は「ナスの煮びたし」だった。気持ち的には、妻と離れたくない夫。しかし「せっかくのチャンスだから」と妻の後押を受けて渡米。毎晩、どちらかが寝落ちするまで電話をつなぐ日々が始まった。
ラスベガスでは、一晩で120万円稼ぐ日もあったという順風満帆なマジシャン生活。しかし4ヶ月ほどが経ったある日、周りに不幸があって深く落ち込んだ妻。