『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』等、1970年代の“SF映画”へのオマージュを込めた“幻の青春映画”『5-25-77 あの日の映画少年たちへ』が、BS10プレミアムで5月25日に日本初放送されることが決定した。先行して5月15日からBS10プレミアム for Prime VIdeoにて配信を開始する。


 本作は、『スター・ウォーズ』が全米公開された1977年5月25日をタイトルに冠した自伝的ドラマ。『2001年宇宙の旅』(1968年)や『未知との遭遇』(1977年)といった名作SFに影響を受けた映画少年が、ハリウッドを夢見る姿を描く。

 監督・脚本・製作を手がけたのは、SFコメディ『ハロウィン・インベーダー/火星人襲来!?』や『赤ちゃんのおでかけ』などを手がけたパトリック・リード・ジョンソン。自身の少年時代の体験をもとに、2001年から約20年の歳月をかけて完成させたこん身の一作だ。

 プロデュースは、『スター・ウォーズ/新たなる希望』『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のゲイリー・カーツ、『ゴッドファーザー PART II』『地獄の黙示録』などフランシス・フォード・コッポラ作品を多く手がけてきた『地獄の黙示録』のフレッド・ルーズらが担当。

 1977年5月25日。『スター・ウォーズ』が全米で初公開された。と言っても、当初はわずか数十館での上映。その頃、『スター・ウォーズ』のことは、まだ誰も気にはかけていなかった。しかしこの映画がその後、全米どころか世界中で空前のヒットを記録。現在に続く超人気シリーズの礎となった。本作はその当時の“ビハインド・ストーリー”とも言える物語にもなっている。


 ジョンソン監督の姿を投影させた主人公パットを演じるのは、俳優業とともに『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』では監督&脚本、『スパイダーマン:ホームカミング』では原案&脚本を務めるなど制作者としても活躍しているジョン・フランシス・デイリー。

 パットの友人役のスティーヴ・コールター(『死霊館 最後の儀式』『アナベル 死霊博物館』)、パットの母親役のコリーン・キャンプ(『地獄の黙示録』『ダイ・ハード3』)、ハリウッドでパットを迎える重要な役割を担うハーブ・ライトマン役のオースティン・ペンドルトン(『ビューティフル・マインド』、『ウォール・ストリート』)など、芸達者な俳優陣が顔をそろえている。

 1970年代後半から世界中で空前のSF映画ブームを巻き起こすことになったジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』やスティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』など、ジョンソン監督が当時のハリウッドの撮影現場で実際に体験したことが、劇中で再現されている本作。まさにこれから名作が生まれようとしているその場にジョンソン監督が立ち会っていたのだ。

 のちに日本国内でも『未知との遭遇』のタイトルで劇場公開されることになる『“第三種接近遭遇”』を撮影中の若きスピルバーグ監督が登場するシーンは必見。またSF映画が好きな映画ファンならば知らぬ者はいない、伝説的とも言えるSFXマンのダグラス・トランブルや、まだILM(インダストリアル・ライト&マジック)の工房で『スター・ウォーズ』のSFXシーンを撮影中のジョン・ダイクストラと出会うシークエンスなど、映画史の“裏側”をのぞくことができる点も大きな見どころだ。

 劇中に散りばめられている映画の小ネタも満載。パットが話題にする映画のタイトルだけでなく、彼が着ているTシャツの“WATCH THE SKIES(空に気をつけろ!)”は、50年代SFの名フレーズへのオマージュで、映画ファンをニヤリとさせる仕掛けだ。部屋に貼られたポスターやグッズなども目を凝らして見るのも一興だ。

 また、生活空間の身の回りの物をフルに活用して、お金を掛けずにアイデアを凝らしながら映画のワンシーンを自分たちで撮影して作っていくシーンなどは、同じように8ミリ映画に没頭していたひとたちには甘酸っぱい想いと共に懐かしく、思わず膝を打つシーンとして楽しめるに違いない。

 パット少年が衝撃を受ける、古典的傑作として映画史にその名を残すスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』、スティーヴン・スピルバーグ監督の『JAWS/ジョーズ』(1975年)、ほかにも『猿の惑星』(1968年)やドラマ『スペース1999』(1973年~76年)など、“自分でも映画のあんなシーンを8ミリカメラで撮ってみたい”と夢想していた映画ファンには堪らないシークエンスがいくつも劇中には登場する。まさに映画への熱意と愛情がぎっしりと詰まった作品となっている。


 本作の完成までに時間がかかった大きな理由のひとつは、製作費の調達。とりわけ、物語の全編に渡って流れる1970年代の楽曲の使用料をいかに工面するか、難航したという。巨額の製作費用を工面する必要があるが、ジョンソン監督も“あの日、あの時に聴いた音楽“は譲れないところだった。そのこだわりはやがて実を結び、日本でも耳なじみのある名曲の数々が劇中を彩る。

 10ccのラブソングの名曲「アイム・ノット・イン・ラヴ」や、デオダートのジャズロック版「ツァラトゥストラはかく語りき」(『2001年宇宙の旅』でもおなじみ)、時代の記憶と結びついた楽曲が、作品のノスタルジーを一層引き立てる。ほかにも、クイーンやリンゴ・スター、アラン・パーソンズ・プロジェクトなど、1970年代を彩った名曲の数々が劇中を彩る。

 映画ファンから“幻の作品”として語り継がれてきた本作に、ゲームクリエイターの小島秀夫氏もコメントを寄せ、「中盤から涙が止まらなかった」「自分の少年時代の日々と六十数年の人生を本作に重ねた。これは僕自身の人生であり、映画でもある」と絶賛している。

■ゲームクリエイター・小島秀夫氏のコメント(全文)

 冒頭から『2001年宇宙の旅』、『サイレント・ランニング』、ダグラス・トランブル!パトリック・リード・ジョンソン監督と僕は、ほぼ同い年。同じものに影響を受けて、背中を押されてきたはず。だから、中盤から涙が止まらなかった。自分がこれほどまでに映画を愛してきたのはどうしてなのか。
なぜ孤立しながらもクリエイティブを続けるのか。クリエイティブに蔓延する“孤独”とはなんだったのか。そして自分にとっての“モノリス”とは、なんだったのか。自分の少年時代の日々と六十数年の人生を本作に重ねた。これは僕自身の人生であり、映画でもある。

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