俳優の松重豊(63)が16日、都内で行われたテレ東ドラマ24『孤独のグルメ Season11』(毎週金曜 深0:12)、『孤独のグルメ』シリーズの記者会見に登壇。日本の映像制作を“危惧”する場面があった。


 今作は、原作・久住昌之氏、画・谷口ジロー氏の同名人気コミックをもとにドラマ化。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(松重)が営業先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを自由に食す、至福の時間を描いたグルメドキュメンタリードラマ。2012年に放送をスタートして14年、レギュラーシーズンとしては約3年半ぶりの放送となる。

 「食は物語だと思っています」という松重は、「ドラマに登場するお店について、どのような経営者で、どのような人がどんな経緯でこの味にたどり着いたのか、想像していくことによって味のおいしさは確実に上がっていくと思ってます。お店のたたずまい、のれんの表情から読み取れる“物語”、『あそこで出てくるタンメンっていうのはこういう味なんだ』ということを見ているお客さんに伝えていく役割が俳優で、役者としてやってきた意味でもあります。それをドラマの中で伝える、そのような意味で、僕は物語だと思っております」と語った。

 松重は、海外の人からの共感を得られるように、表情などのシグナルを読み取ってもらえるように意識しているそう。「僕はどっちかと言うと、わかりやすくすることが、これまで俳優としてやってきたこととちょっと方向性が違うんじゃないかなと思います。その役者の表情やたたずまいから想像させる“情報量”と“丁寧で優しい”ことは違うと思います」と役者としての思いを口にした。「食べたものに対してどのような感情を持ってるのかな、おいしいと思ってるのかな、熱いと思ってるのかな、想像して楽しんでいくことを、僕はこのドラマの中で積極的にやろうと思いました」と役者としてのこだわりを見せ、「想像して楽しむような作品が増えてほしいという願望が強くあります」と力強く語った。

 2025年には松重自らが監督・脚本・主演を務める『劇映画 孤独のグルメ』が公開。日本の芝居について「“失われた30年”は、世代的には僕らの責任は非常に大きいと思っている」と口にし、「自分が制作側に回り、アジアの国で撮影させていただいたりすると、気づいたら、お金の価値も経済力も日本はアジアの中でもちょっと置いていかれてるぞという自覚をやっぱり持たざるを得なくなってて」と“危惧”。


 「まずは現場の待遇や金銭面の部分を、周りと比べても遜色のないぐらいまで引き上げていかなきゃいけないなと。こういうことは僕たち先輩と呼ばれている人たちが声を上げていかなきゃいけない問題だったんじゃないかなと思ってます」と責任感をにじませた。
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