俳優の水上恒司が主演する映画『本当にあった話(の話)』(10月2日公開)から、劇中劇の題材となる架空の「配偶者入れ替え連続殺人事件」を紹介した特別映像が公開された。あわせて、本ビジュアルの候補として制作された“幻のビジュアル”8点も解禁された。

 本作は、実際に起きたとされる事件を舞台化した『貴子とマサキの恋物語』の制作過程で、次第に現実と演技の境界が崩れていくディストピア映画。なお、劇中の事件は創作されたフィクションで、現実に存在する人物や事件とは関係がない。

 劇中で舞台化される「配偶者入れ替え連続殺人事件」は、1999年から2000年代にかけて発生したとされる架空の事件。近田貴子は、恋人・タカシとの結婚を実現するため、彼と容姿が酷似し、立派な経歴を持つ大学生・近田マサキに接近する。

 マサキと結婚した貴子は彼を殺害し、その戸籍や保険、運転免許などの社会的身分をタカシに引き継がせる。ところが、タカシが自首しようとしたため、貴子は新たな恋人と共謀してタカシを殺害。その恋人を次の“マサキ”に仕立て、配偶者の入れ替えと殺人を繰り返していく。事件は、5人目のマサキとなった男の自首によって発覚する。

 この事件を題材にした舞台の演出を佐々木蔵之介演じる加藤鶏冠手、脚本を小池栄子演じる垣内志乃が担当。演技経験のない新人俳優・夛田鉄郎(水上)が主演に抜てきされ、黒木華演じる米良チサトが相手役を務める。

 自身の経験を役柄に重ね、舞台へ深くのめり込んでいく夛田は、やがて現実と演技の区別を失っていく。その執着と狂気は米良や垣内、加藤らにも影響を及ぼし、舞台を作る人々の隠された本音をあらわにしていく。

 架空の事件、それを再現する劇中の舞台、その制作過程を映す映画という三重構造で展開。真実らしく語られるフィクションが現実を侵食していく過程を描く。

 公開された8点の“幻のビジュアル”には、水上、黒木、小池、佐々木らの写真を使用。赤や青、グレーなど異なる色彩に、コラージュやグラフィック加工を組み合わせ、それぞれ別の角度から作品の不穏さを表現している。

 夛田の表情を大きく切り取って狂気を強調したものや、舞台制作に関わる人物の顔を重ねたデザイン、舞台上に立つ4人を配置したものなどが制作された。鮮やかな青とピンクを基調に、夛田と米良の関係へ焦点を当てた案も含まれている。

 監督は、本作が商業映画デビュー作となる武井佑吏。初長編『赤色彗星倶楽部』で「PFFアワード2017」の日活賞と映画ファン賞、「第11回田辺・弁慶映画祭」のグランプリを受賞している。

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