ヨシクラミク
こちらは本記事のライター、つまり私の名前です。さて、この名前を目にしたときに思い浮かべるのは男性の顔でしょうか、女性の顔でしょうか。
かわいらしい女性の顔を思い浮かべた方はごめんなさい。私は男性です。先日31歳になりまして、おじさん街道をひた走っております。
■ かわいい名前の男として生きて31年
この「ミク」というのは私の本名です。31年間ずっと、この名前で社会活動を営ませてもらっています。
つばさ、はるか、ちひろ⋯⋯世の中には女性に間違えられがちな名前を持つ男性は少なくありません。ただ中でも「ミク」はめずらしい。
「ミク」という名前の著名人、キャラクターを思い浮かべてみてください。全員、女性ではないでしょうか?
31年生きてきて、同じ名前の男性に会ったことはありません。遠い昔に、会社の同期の姉の彼氏が「ミク」というらしい、といった話を小耳に挟んだことはありますが、真偽不明のまま疎遠になりました。
漢字表記をするとかなり男性っぽくなるのですが、カタカナやひらがなだとほぼ100%女性と間違えられます。実際ライター業を始めてからもときどき「女性だと思ったら男性でびっくり!」といった声をいただきます。
知人の紹介で知り合った妻にも、初めてLINEでやり取りした際に「女の子かと思いました」と言われました。
そう、私の名前はかわいい。とても31歳男性を指すものとは思えないほどに、かわいい。
今日はそんなかわいい名前を持つ私が、31年の人生でしてきたちょっとした体験を、ご紹介したいと思います。
■ クラスの女子だけのLINEグループに招待される
テキストベースでやり取りをしている相手にはまず間違いなく女性だと思われます。顕著だったのは大学時代です。
高校生まではクラスメートの顔と名前が一致しているため、周囲は最初から私のことを「ヨシクラミク=男」だと認識してくれていました。
しかし大学生になると一気にコミュニティが拡大。すべてのクラスメートの顔と名前が一致するわけではなくなり、その結果、入学してすぐにクラスの”女子だけ”のLINEグループに招待されました。
ただ、これは私のせいでもあります。
というのも私はLINEアカウントを作ってから今までずっと、名前をひらがな表記の「よしくらみく」にしています。漢字表記にする読みにくいためです。私は可読性向上への配慮と、ほんの少しの「女子と勘違いさせたれ」というイタズラ心とで、ひらがな表記を貫いています。
またアイコンも、当時は自分の顔写真などではなく、長ネギの画像にしていました。
ちなみに女子だけのLINEグループは主催の子に「すみません、自分男です」と言って抜けました。さすがに素知らぬ顔で居座り続けるほどの度胸はありませんでした。
■ 大学サークルの新歓、男子学生を相手に無双する
私の「女性っぽい名前」が最も高らかに火を噴いたのは大学時代、サークルの新歓活動の時期です。
私が大学で新歓を真剣にやっていた2014年頃は、とにかく道行く新入生に歓楽街のキャッチさながらに声をかけ、連絡先をもらい、LINEグループを作って活動に誘う、というのが主流でした。
さらにグループ全体でのアナウンスだけでは当然反応してくれない新入生も多いので、そういう子に対してはサークルメンバーがそれぞれ分担して個別LINEを送っていました。
個別LINEを送る際、私のサークルでは基本的に女子メンバーがその役割を担っていました。というのも女子は女子から声をかけてもらった方が安心するし、男子は女子から声をかけてもらったほうが嬉しいからです。
そんななか私は男子メンバーにもかかわらず、女子メンバーと分担して、男子の新入生に個別LINEを送っていました。
たださすがに「女子です」とは明言していません。その一線は越えてはいけないと思っていたので。やわらかい口調と絵文字の多用により「この人は女子だな!」と一方的に勘違いさせていただけです。
なぜ女子のフリをしたかと言えば、単純に人手不足だったのと「俺の方が大1男子が好むツボを押さえている!」という自負があったからです。
その甲斐あってか、新歓シーズンの一番大きい飲み会には、私が声をかけた男子はほぼ100%参加しました。ただ入会につながったかと言うと⋯⋯それはご想像におまかせします。
■ 名前を一瞬で覚えてもらえる。苗字はすぐ忘れられる。
自己紹介の際「名前と、何か一言」を求められることはよくありますよね。大人になって場数を踏めば、一言の部分に苦労することはなくなります。が、子どもの頃は持ちネタもないので困った、という人は多いのではないでしょうか。
私の場合は名乗ったあとに「一応、男です」と言えばそれなりに反応がもらえます。テキストでやり取りしていてその日が初顔合わせ、というような場合は「すみません、男です」と言えばちょっと盛り上がります。
そしてやはり男で「ミク」というのは非常に珍しいので、すぐに名前を覚えてもらえます。また歓迎会などでカラオケに連れて行ってもらった際には、基本的に初音ミクの「みっくみくにしてあげる♪」を歌うことにしているので、完璧に相手に自分の顔と名前を印象付けることができます。
ただ名前のインパクトが強い半面、苗字はすぐに忘れられます。「ヨシクラ」というありふれているわけでも、珍しいわけでもない苗字のため、「ミク」の前には霞んでしまうのです。
また、私は基本的に親しい人には「名前で呼んでくれ」とお願いしているので、数年来付き合いのある友人から「そういえば苗字なんだっけ?」と聞かれることも、珍しくないです。
■ アニメや映画のヒロインが自分と同じ名前でハマれない
「ミク」という名前で困ったことはそんなにないですが、アニメや映画のヒロインが同じ名前だと少し身構えてしまうことがあります。恋愛要素があると特にです。いわゆる「漫画のヒロインが母親と同じ名前で読めなくなる」のと同じ状態ですね。
どれだけ可愛くて自分の好みに合うヒロインだとしても、名前が自分と同じというだけで、彼女越しにうっすら自分の顔が見える気がして、ダメになります。
ましてや私は、好きになったヒロインについては熱烈に名前を口にして「好き好き!」と叫びたい、どこに出しても恥ずかしいタイプのキモオタ。自分で自分の名前を呼んで「好き好き」連呼しているところを想像すると、なんとも言えない虚無感に襲われるのです。
それをひときわ痛感したのはやはり、ミク界の第一人者である初音ミク。彼女がニコニコ動画を中心にネット上でブイブイ言わせていたころ、私は中学生でした。
初音ミクのビジュアルは完全に好みだったのですが、名前のせいでノイズが常にちらついていました。
逆に名前が女性的であるあまり、絶対に自分と同じ名前の主人公が現れない、というのも悩みどころです。やはり人生で一度は、アニメや映画の主人公が自分と同じ名前で、かわいいヒロインが作中で名前を呼んでくれる⋯⋯なんて経験をしてみたいもの。
それがほぼ100%叶わないのは、困ったことになるかもしれません。
■ 成長するにつれて名前が不釣り合いになっていく
自分で言うのもなんですが、子どものころはかわいい男の子でした。
背が小さく、線が細く、目がクリっとしていて、ニホンザルの赤ちゃんみたいでかわいげがあるビジュアル。周囲の、主に年上の女性陣から「かわいい」と愛されるタイプです。「ミク」という名前が見事に体を表していました。
しかし成長とは恐ろしいものです。次第に私にはニキビができ、いたるところに毛が生え、声が低くなり、なんだか脂ぎってきました。ニホンザルの赤ちゃんは遠い過去。自分の姿は恐ろしい速度で「かわいい」から遠ざかっていきました。
現在私は31歳。
名前は一生。私はこれから先も「ミク」として生きていかなければなりません。40代、50代、60代になっても「ミク」。「ジジイのミク」というのは正直想像しがたい存在で、今から年を取るのが怖くもあります。
■ なんだかんだで結局、自分の名前は好き
ミクという名前にコンプレックスがあるかと言われたら、特にそんな事はありません。子どものころから現在に至るまで、一度も自分の名前を恥ずかしいと思ったことはないです。
むしろ「すぐに覚えてもらえる」「いたずらに使える」などとメリットの方が多く、得をしたなと思うことの方が多かったです。
男性なのに女性っぽい名前というのは、ある種のキラキラネーム的な側面があるでしょう。コンプレックスを感じている人も少なくないと思います。
しかし私はこの名前が好きです。キャッチーな名前を与えてくれた両親に、とても感謝しています。
コンプレックスにも感じてはいませんし、むしろ軽率にいじって欲しいところではあります。が、やはり見ず知らずの人からすれば、触れづらいところはあるかもしれません。
大人になるにつれて名前をきっかけにしたコミュニケーションが減ってきているのは、少し寂しい。
もしも私とどこかで出会ったら、ぜひ名前をいじってくれると嬉しいです。
そして男で「ミク」という名前の方も募集中です。「ヨシクラミク」名義でXをやっているので、連絡ください。一緒にジジイのミクになりましょう。
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By ヨシクラ ミク | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026042502.html
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