「PosCheck」は3Dカメラで撮影するだけで、作業者の姿勢負荷を自動判定。エルゴノミクス×AIとOWAS法アルゴリズムを活用し、労働者の腰痛原因や作業環境の改善点を可視化します。
バイオネット研究所は、【 計測機器、医療機器、AI・IoT機器のODM (Original Design Maker) 】です。これまで、スマホ顕微鏡による運動精子濃度計測アプリの開発や、医療機器の受託開発、核磁気共鳴装置(NMR解析ソフト)や、電子顕微鏡画像のシミュレーションソフトなど、様々な計測機器システムを開発して参りました。生物学や工学、AI・IoTのテクノロジーを統合し、日本に新たなイノベーション・ビジネスを生み出すことを目的としています。
今回ご紹介する【 作業負荷自動計測システム「PosCheck」】は、3Dカメラで撮影するだけで、作業者の姿勢負荷を自動判定するシステムです。安全衛生管理体制の確立と、労働災害や腰痛問題などの社会課題に役立ちます。このストーリーでは「PosCheck」開発に至った経緯や背景、開発における紆余曲折についてご紹介するとともに、これから目指す未来についてお話します。
作業負荷自動計測システム「PosCheck」とは?
作業負荷自動計測システム「PosCheck」は、エルゴノミクス×AI で人体骨格を認識し、体への負荷を自動判定するシステムです。エルゴノミクスとは、人間への負荷や負担、人為的なミスを減らし、快適性や安全性、生産性、効率などを向上させ、働きやすい職場や生活しやすい環境を実現する、科学技術や研究分野です。「PosCheck」はこのエルゴノミクスと、北欧フィンランドで開発された世界的な作業姿勢評価法 OWAS法*1に基づき、作業姿勢の負荷を4段階に分類し、定量的に測定します。×
※1 OWAS法とは、国際的な作業姿勢評価法。
OWAS(Ovaco Working Posture Analysing System)法はフィンランドで考案された国際的な作業姿勢評価法です。作業姿勢を背部・上肢・下肢・重さの4項目でとらえ、4段階の作業負荷姿勢に分類し評価します。
PosCheckはこのOWAS法に基づいて、全身の姿勢評価を行います。
開発のきっかけは、「 製造現場での安全管理体制 」に悩む大手建機メーカー様からの依頼
作業負荷自動計測システム「PosCheck」は、製造現場での腰痛問題や労働災害に悩む大手建機メーカー様より依頼を受けて、開発に至りました。この企業様ではもともと、OWAS法を用いて作業者の労働負荷を目視で計測していましたが、見る人によって評価のブレが起きたり、長時間の測定が難しいといった問題に悩まれていました。実際に作業を見学すると、作業者によって体格も異なり、同じ作業をしても姿勢の負荷が異なる点や、OWAS法の判断の難しさなどを痛感しました。このように、「人の目ではなくシステムで自動化したい、長時間の計測を可能にしたい」「安全管理対策を自動化したい」といったご要望をもとに、「PosCheck」は生まれました。
![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_2.jpg,quality=70,type=jpg)
![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_3.jpg,quality=70,type=jpg)
計測系のソフトウェア開発は得意分野。トンネルの切破面画像解析システムとAI技術との組み合わせにより、課題解決を確信
もともと弊社は、大手企業様から様々な受託案件を受けて計測機器やソフトウェアを開発行って参りました。![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_4.jpg,quality=70,type=jpg)
「AI × 立体計測 × OWAS法」で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術とは
実際の開発作業では、様々な問題にも直面しました。特に、AIが手足の位置を誤認識したり、ToFカメラが距離計測を誤るなど、判定のブレが大きな課題でした。AIが学習する際に、体全体が隠れていない、標準的な人間の像ばかりで学習したことや、ToFカメラの撮影時に被写体の表面材質により吸収や反射が起こり、距離計測を誤認識することが原因でした。この誤判定を排除するため、距離情報と合わせて肘から手首までの長さが正常値の範囲かチェックし、調整を重ねることで、より精度の高いシステムを構築することに成功しました。![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_5.jpg,quality=70,type=jpg)
開発段階ではこのように様々な課題がありましたが、完成したPosCheckでは、必要な機材は「三脚に乗せた3Dカメラ、解析用のパソコン、ルーターのみ」と、シンプルな機材で解析が可能となりました。
特許取得によるPosCheckの強み。他社製品との違いは、マーカーやセンサー無しで3次元的に人体の骨格を捉え、定量的に計測できる高い精度
姿勢を解析する計測システムは他社でも開発されていますが、他社製品は光学カメラとAIによって姿勢判定する、2次元画像から解析するものがほとんどです。![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_6.jpg,quality=70,type=jpg)
また、作業者はマーカーなどの特別な機器を体に付ける必要が無く、カメラで撮影するだけで手軽に姿勢を測定できる点も大きなポイントです。
![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_7.jpg,quality=70,type=jpg)
また、PosCheckは2024年3月28日に特許取得済みであることから、“マーカーやセンサー無しで3次元的に人体の骨格を捉え、OWAS法を用いた負荷計測を定量的に行う技術” としては唯一の製品であると考えています。このように、より正確な信頼性の高いデータを取得できる点が大きな特徴であり最大の強みです。
「PosCheck」が変える製造現場の安全管理。さまざまな企業様による導入事例
実際にPosCheckをご導入いただいた企業様からは、腰痛問題に悩む製造現場での環境改善や、各工程ごとの負荷の高い・低い等色々な評価を自動で行える点が便利とのお声をいただいております。具体的な身体負荷の差異を数値化することで、どのような指導や研修、改善点が必要か見えてくるため、作業効率の改善にも役立ちます。![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_8.jpg,quality=70,type=jpg)
また、姿勢負荷の問題だけでなく、そこから二次的に引き起こされる人手不足問題や労働災害の解決にも活用できると考えています。様々なもののDX化が進んでいるとはいえ、まだまだ人の手で行う作業は多数あり、人手不足や高齢作業者の増加に伴う労働災害は大きな問題となっています。単なる腰痛対策だけでなく、様々な社会問題の観点からも”正確かつ効率的な評価手段”が求められており、現場の課題に留まらず、より広範囲にわたるニーズを解決したいと私たちは考えています。
重労働以外の新しい分野にも活用の場を拡大し、技術革新の向上へ
今後の展望としては、現在の主な導入先である重労働現場への適用だけでなく、AIの技術進化に合わせてさらなる展開が期待できると考えています。例えばオフィスワークやスポーツの現場など、重労働以外の新しい分野でも活用の可能性があります。長時間の座り作業によるストレスやコリ、トレーニング施設での姿勢評価の他、リハビリや介護、医療の分野など様々な場で課題解決に努めていきたいと考えています。誰もが働きやすい安全な職場づくりを目指して、課題解決の貢献へ
安全管理や労働災害への対策とその実現には課題も多く、時間もかかります。 私たちバイオネット研究所は、今後も技術革新に挑み続け、AIとIoTテクノロジーの力で、課題解決に取り組んで参りたいと思います。PosCheckはご導入先の企業様の特性に合わせて、システムや安全評価項目をアレンジすることも可能です。導入をご検討中の方は、お気軽にご連絡下さい。
![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_9.jpg,quality=70,type=jpg)
労働現場でお悩みの企業様へ、PosCheckのオンライン説明会を開催
PosCheckの製品WEB説明会を開催いたします。参加には事前のご登録が必要です。 製造現場、作業現場での【 腰痛問題・労働災害・安全管理対策・高齢作業者の労働改善 】などにお悩みの企業様はぜひご参加ください。■ 開催日程
下記の日程で PosCheck101 製品 Web 説明会を開催いたします。
- 第1回:2024年05月30日(木) 11:00~11:45
- 第2回:2024年06月04日(火) 11:00~11:45
- 第3回:2024年06月05日(水) 11:00~11:45
■ お申し込みはこちら
https://forms.gle/brrePbzN5ogMsjcM9
ぜひお気軽にご参加ください。
展示会出展、デモンストレーション情報
- 2024年6月19~22日 ものづくりワールド ヘルスケア・医療機器開発展
東京ビッグサイト東4ホール小間番号E31-1
- 2024年7月24~26 テクノフロンティア 工場内のDX展
来場者登録はこちら
VIP来場者登録はこちら
- 2024年8月24~26日 韓国 國際人間工学学会
- 2024年11月13~15日 中央労働災害防止協会 緑十字展2024 広島県立広島産業会館
作業負荷自動計測システム PosCheck製品ページはこちら
https://bio-net.co.jp/poscheck/製品に関するお問い合わせ先はこちら
会社名:株式会社バイオネット研究所サイト:https://bio-net.co.jp/
メール:info@bio-net.co.jp
電話番号:042-512-9021
PosCheckは【 東京都トライアル発注認定制度 】に認定されました
PosCheckは令和5年度【東京都トライアル発注認定制度 ※東京都公式ホームページ】にも認定され、これを機に都立大学様、東京都リハビリテーション病院様、東京都立花畑学園様にも、製品をご導入いただきました。![【 安全管理対策をDX化 】AIと立体計測で高精度な姿勢評価を実現した「PosCheck」の技術。作業者の”腰痛問題や労働災害”の解決に挑んだ開発ストーリー](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FPrtimes%252F34%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x%252FPrtimes_bj4L4Qhye8x_10.jpg,quality=70,type=jpg)