2025年2月24日、台湾メディア・中天新聞網は、台湾で日本の「コーヒー職人」を偽り、コーヒー豆の投資を持ちかけて20人から金銭をだまし取った男が現地の裁判所で実刑判決を受けたと報じた。
記事は、台湾の新竹地方法院でこのほど、日本のコーヒー職人を装い、自ら「小林永山」と名乗って詐欺行為を働いた林永洋(リン・ヨンヤン)被告に対する判決を言い渡す公判が行われたと紹介。
そして最終的に20人が架空の「配当契約書」などに署名して資金を振り込んだ。林被告は集まった3350万台湾ドル(約1億5000万円)すべてを他の目的に使用し、20年8月以降に約束していた配当金の支払いが一向に振り込まれないことで20人の投資者はようやく騙されたことに気付き、警察に通報。林被告は逮捕、起訴された。
記事は、裁判の中で林被告が「私はフランス・リヨン大学で流体力学の修士号を取得し、高校はフランス南部で学んだが、学校名は難しくて忘れた」「中学は横浜で学び、神戸で開催された全日本コーヒー職人大会で優勝した」「中国軍との契約はあるが、軍事機密により契約内容は公開できない」「もともと善意で外部投資を受け入れたが、コロナ禍で損失が大きかった」などと弁明したことを伝えた。
一方で、裁判官は「被告はコーヒー豆の大量注文を証明する書類を提出できず、詐欺行為は極めて明白。仮に注文が本当だったとしても、その規模は極めて小さく、投資家を騙して集めた数百万米ドルとは大きな乖離(かいり)がある」と指摘し、「被害者の信頼を利用し、架空の国際契約や高利回りの投資プランをでっち上げ、詐欺的手法で投資を勧誘した。被害者に深刻な財産的損害を与え、社会的信頼関係を損ね、経済秩序を混乱させ、国の金融管理にも害を及ぼした」と認定し、強く非難したことを伝えた。
そして、逮捕、起訴後も架空の契約や経歴を主張し続け、被害者に賠償する意向も示していないとし、銀行法の「違法な預金収受業務罪」により懲役4年6か月、罰金1200万台湾ドル(約5500万円)、犯罪所得の没収を言い渡したことを報じた。(編集・翻訳/川尻)