中国南東部の町、広東省東莞市には5500社以上の玩具製造関連企業があります。アニメーションや漫画などから派生した関連グッズでは全世界の4分の1がここで製造されており、中国では人気玩具の85%近くがここで誕生しています。
玩具メーカーの経営者である王振さんによると、米国市場は自社にとって輸出シェアの2割を占めていました。145%の追加関税のせいで、1000件余りあった米国からの注文はほとんどがキャンセルされたとのことです。王さんはそのことで、経験したことのない大きなストレスを感じました。しかし22年のキャリアを持つ玩具業界の「ベテラン」として、王さんは貿易戦争の残酷さを痛感しながらも、そこには新しい市場創出のチャンスが秘められていると見ています。王さんは注文のキャンセルの知らせが殺到して最もつらかった数日間、300回以上も電話をかけて販路拡大に全力を尽くしました。

そして4月12日、中国の大手電子商取引(EC)サイトの京東(JD)が輸出用だった商品の中国国内市場での販売に支援策を打ち出しました。王さんが早速JDに連絡すると、JDによる発注資料が届きました。危機が機会に転じたのです。王さんは翌朝、自社製品のサンプルをJDに送りました。JD側の専門チームは直ちに審査し、1日後には王さんに朗報が届きました。JDを通じて商品が販売できるとの知らせでした。
王さんは4月24日、内需市場での生産者と販売者の交流会を陣頭に立って催しました。ECサイトや地元の東莞市茶山鎮の80社余りの貿易企業を招待して、一対一で商談の場を提供し、より多くの貿易企業に内需市場での販路拡大を支援しました。(提供/CRI)