2025年6月15日、中国のポータルサイト・捜狐に「『進撃の巨人』の物語の核心と規制をめぐる論争」と題した記事が掲載された。

記事はまず、「『進撃の巨人』は、日本の漫画家・諫山創氏による少年漫画作品であり、09年より講談社の漫画雑誌『別冊少年マガジン』にて連載が開始され、21年4月9日に完結。

13年からは、日本のアニメ制作会社・WIT STUDIOによってアニメ化された」と紹介した。

続けて、「同作の物語は架空の世界を舞台としており、人類は『ウォール・マリア』、『ウォール・ローゼ』、『ウォール・シーナ』という三重の巨大な壁の内側で生活していた。一方、巨人たちは壁の外に存在しており、人類はこれらの壁によって巨人からの攻撃を防ごうとしていた。しかし、ある日『ウォール・シーナ』内に突如として現れた超大型巨人が壁の一角を破壊し、かつてない危機を引き起こした。人類の安全は完全に破られ、無数の巨人が人間の居住区に侵入。人類は絶滅の危機に直面することとなる」と説明した。

そして、「物語の主人公であるエレン・イェーガーは、巨人によって自らの母親や人々が食い殺されるさまを目の当たりにし、巨人に対して計り知れない憎悪と復讐心を抱く。すべての巨人を駆逐することを誓って調査兵団に入団し、志を同じくする仲間たちと出会い、人類の未来のために戦いに身を投じる。物語が進むにつれ、エレンたちは真実へと近づいていくが、たどり着いた真実とは、すべての巨人は元々人間であり、同胞の悪意によって巨人に変化させられた存在であったということだった」とした。

記事は「進撃の巨人」が中国の一部地域で規制・禁止された理由ついて3つ挙げ、「まず1つ目は過激な暴力描写である。同作には、巨人が人間を食いちぎるシーンや、手足が吹き飛び、血が飛び散るといった過激な場面が多く含まれており、視聴者、特に青少年に対して強い精神的影響を与える恐れがある。2つ目は内容に多くの議論の余地があるためである。

作中には、戦争や民族問題、人間性などといったテーマへのアプローチが過激かつ複雑で、これが主流の社会的価値観と相反する要素として、誤解や偏った理解を招きかねないと問題視されている」と述べた。

加えて、「3つ目は病的とも言える美的表現である。登場キャラクターの一部や場面設計などが、暗く抑圧的で恐怖を感じさせるデザインとなっており、いわゆる『病的な美学』が際立っている。これが一般的な視聴者の美的感覚や文化的価値観に合わず、広い層の視聴者には受け入れられにくい」と指摘した。(翻訳・編集/岩田)

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