中国で「愛国映画」を批判した複数のSNSアカウントが投稿禁止になっている。
中国メディアの都市快報は4日、「複数アカウントが愛国映画を攻撃し発言(投稿)禁止に」と題し、中国のSNS・微博(ウェイボー)の監督アカウントが複数の著名アカウントを名指しし、「(彼らは)皮肉めいた同質的な有害言論を転載し、それをもって愛国題材の映画を攻撃・嘲笑していたことが発覚した。
同監督アカウントはユーザーらに向けて「愛国とはすべての人が自覚的に果たすべき責任と義務であり、それは人としての徳を立て、功績を立てる根本である」などと呼び掛けた。ネットユーザーからは「映画が裏切り者をあぶりだした」「なぜ(アカウントを)永久凍結にしないのか」「スパイとして処分せよ」など厳しい声が上がっている。
中国では「抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」に当たる今年、「愛国映画」が相次いで公開されており、現在、1937年の旧日本軍の南京での「蛮行」を描いた「南京照相館(南京写真館)」が大ヒットを記録している。また、旧日本軍の731部隊を題材にした中国映画「731」は、満州事変の発端となる柳条湖事件が起きた9月18日に公開されることが決まっている。
一方で、こうした動きには中国国内の一部からも「ヘイト教育だ」と懸念の声が上がっている。「愛国映画」の公開に反対するある人物は「もう(戦争から)こんなにも長い時間がたったのに、(愛国映画を制作する)監督たちは私たち中国人に傷口を見せ、かさぶたを剥がし、血なまぐさい映像を見せつけようとしている。子どもたちに残酷で恐ろしい場面を見せようとしている」と批判した。ただ、中国のSNS上ではこうした言論は大量の愛国主義的なユーザーらによって徹底的にたたかれている。(翻訳・編集/北田)