2026年7月16日、シンガポールメディア・聯合早報は、国際エネルギー機関(IEA)がレアアースと重要鉱物に関する報告書で、中国の輸出制限により巨額の下流産業生産が危険にさらされる恐れがあると警告したと報じた。
記事はブルームバーグの報道を引用し、報告書の内容を紹介。
また、こうした脆弱性への対応として、各国が多国間協力を通じて「高リスク」の重要鉱物11種の戦略備蓄を構築するよう提言しており、備蓄には約92億ドル(約1兆4900億円)の初期調達支出が必要で、年間の純コストは約9億ドル(約1460億円)に上るものの、供給途絶がもたらし得る損失と比較すれば「取るに足らない」と報告書は指摘している。
記事は、IEAのビロル事務局長がプレスリリースで「膨大な経済的価値が比較的限られた数の重要鉱物に依存しており、これらの鉱物のサプライチェーンは依然として高度に集中しているため、極めてぜい弱だ」と述べ、供給の多元化はより高いコストを意味する可能性があるものの、地政学的な不確実性に満ちた時代においては、重大な供給リスクに対する経済的な保険と見なすことができるとの見解を示したことを伝えた。
一方で、報告書は重要鉱物のサプライチェーン多元化に向けて各国政府が積極的な役割を果たし始めているとも評価しており、米国とマレーシアによるレアアース精錬プロジェクトへの投資により、世界のレアアース精錬供給に占める中国のシェアは90%から85%に低下しており、予定通り稼働すれば2035年までに70%まで低下する可能性があるとの予測を示したことも紹介している。
記事は、各国政府による取り組みが進んでいるものの、全体としては鉱物サプライチェーンの地理的集中度がむしろ上昇しており、特に精錬工程で顕著だと指摘。ニッケルの精錬ではインドネシアが世界首位、その他の重要エネルギー鉱物の精錬では中国が世界首位に立っており、両国だけで世界の精製鉱物供給の増加分の4分の3以上を占めていると伝えた。(翻訳・編集/川尻)











