中国・河南省鄭州市の病院で、男児を連れてきた母親が「息子の身長を180センチになるように『治療』してほしい」と求める出来事があった。中国メディアの大河報が28日に伝えた。

この出来事を明かしたのは、鄭州大学第三附属病院小児内分泌科の王偉(ワン・ウェイ)主任。王主任によると、発育の相談に来た男児の骨年齢検査を行ったところ、成人時の身長が175センチ前後になると推計された。すると、母親は開口一番、「男の子が175センチでどうやって人前に出るというのですか?絶対にうちの子に180センチまで伸ばす治療をしてください」と言ったという。

男児に病的な問題は一切なかった。しかし母親は「今の子どもはみんな背が高く、175センチでは人混みの中で目立たない。将来、就職で不利になり、恋人を見つける際にも不利になる」と話した。王主任は男児の発育は正常で、薬などを使って無理に慎重を伸ばそうとすると(健康上の)リスクを招く可能性があることを時間をかけて説明したという。

「第6回全国国民体質モニタリング公報」の報告データによると、中国の20~24歳男性の平均身長は173.7センチ。記事は「予測身長が175センチであれば平均を上回っており、低い方でもない。『人前に出られない』などということはない」と述べた。

近年、病院にこのような要求をする親が増えているといい、王主任は「以前であれば親は、女の子なら150センチ以上、男の子なら160センチ以上になれば正常だと考えていた。その後徐々に、女の子に求める身長が160センチ、165センチ、170センチと高くなった。

男の子に求める身長も170センチ、175センチと高まり、今では180センチを求める親も出てきている」と説明した。

記事によると、小児医療に関するショート動画では、子どもの身長に関する話題への関心が特に高くなっており、「子どもの身長を伸ばす方法」などの動画の再生回数は1億回を超えることも珍しくない。よその子どもと比べ、親の焦りを誘うような動画を見ているうちに「175センチでは目立たない」と危機感を覚えるようになるという。

王主任は、「成長には個人差があり、短期間の変化だけでは判断できない。3歳から思春期前までは一般に年間6~7センチの伸び、5センチ未満なら受診が勧められる。思春期に入ってからは年間7~10センチが一般的で、6センチ未満の場合は注意が必要」とし、甲状腺の異常、染色体異常などの病的な原因がある可能性があるものの、単に成長が遅いだけで薬による治療が必要ない子もいるとした。

また、「身長の約70%は遺伝によるとされるが、後天的な要因も影響する」とし、日常生活では、肉や魚、卵、牛乳などでたんぱく質を十分に取り、甘い物や揚げ物を控えること、十分な睡眠、縄跳びやバスケットボールなどの運動、ストレスの軽減が重要だと説明。最後に、「身長よりも健康な体づくりを大切にすべき」と指摘した。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ