中国のポータルサイト・騰訊網に8日、アジア企業の市場価値ランキングで中国企業がほぼ上位を独占しているにもかかわらず、製造業ではなおも日本の後塵を拝している理由について考察する記事が掲載された。

 記事は、中国経済はこの10年で急速な発展を遂げ、現在ではアジアの市場価値トップ10企業のうち、中国が8社を占めており、日本はわずか1社にとどまっていると紹介する一方で、中国の製造業はなおも日本の製造業に遠く及ばないのはなぜなのかと疑問を提起した。

 
 その上で、アジアの市場価値トップ10に入る中国企業を詳しく見てみると、アリババとテンセント(騰訊)の2大インターネット企業のほか、中国工業銀行、平安銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の4銀行、そして貴州マオタイ酒に台積電(TSMC)であると紹介。台湾企業の台積電を除く大陸企業7社には製造業は1社もなく、アリババとテンセントを除く5社はいずれも国有企業なのだとしている。

 一方で、日本から唯一ランクインしている企業は、日本の製造業を代表するトヨタであると指摘。インターネットや金融業は実体のない産業であり、製造業など実体のある産業が大いに発展できなければ、これらの企業が高い市場価値を持っていても実際的な価値はないのだと論じた。また、日本には世界レベルの製造業界の巨頭企業が無数に存在するのに対し、中国で当てはまるのはせいぜいファーウェイ(華為科技)1社くらいだと伝えた。

 記事は最後に「中国経済が本当に強くなるためには、実体のある経済をもっと大々的に発展させなければならない。
この点において、われわれは日本から学ぶべきなのだ」と結んでいる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)