中国メディア・中国新聞網は20日、五輪の開幕が目前に迫った東京の街が「特殊な状況」にあると報じた。
 
 記事は、「史上初めて延期され、今なお緊急事態下にある中で五輪の開幕まであと3日に迫った東京では、さまざまな特殊な状況が発生している」とした。
その上でまず、新型コロナ以前から懸念されていた猛暑の問題を取り上げ、日本で発表されている予報によれば東京の今年7、8月の気温は平年より高くなる見込みであり、五輪開催期間の向こう2週間の東京は「この37年で最も暑く、湿度の高い五輪開催地」になりそうだと指摘。特に屋外競技のアスリートにとっては非常に過酷な環境を強いられることになると伝えた。
 
 次に、道路交通の混乱に言及。東京都内では19日より試合会場付近11カ所で交通規制が始まるとともに、大会関係車両専用レーンが設けられたことで、一般道路で渋滞が発生したと伝えた。また、大会期間中は早朝、深夜を除いて首都高速の都内区間料金が1000円上乗せになっているとし、この措置によって一般道の渋滞がさらにひどくなっていると指摘、19日に実際にプレスセンターからシャトルバスでホテルに戻ったところ、通常なら40分で到着する距離が1時間半近くかかったことを紹介している。
 
 その上で、東京都内では無観客開催が決定している中で「それでも大規模な交通規制を敷く必要があるのか」という疑問が市民の間で巻き起こっているとした。
 
 記事はさらに、新型コロナ、炎天下、交通渋滞といった要素により、大会運営を支えるボランティアが多忙になっていると指摘。海外からの関係者を空港で待ち受けるボランティアは、入国や税関からPCR検査まで一連の手続きの手助けを担っており、「もともと午前6時から午後3時までという話だったが、受け持ちの一行が空港から宿泊施設に向けて出発するのを見送ったのは午後10時だった」というボランティアの声を伝えている。
 
 そして、シャトルバスの中継地点ではボランティアたちが炎天下で乗車案内を行っており、熱中症にならないように待ち合いスポットには日傘や大型扇風機が配備されていると紹介。さらに、感染を防ぐために食堂での飲食はできず、携帯しやすい冷めた食事を取っていたと伝え、「ボランティアたちはの仕事は多忙であり、その環境はとても厳しい」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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