東京五輪では、韓国による「反日」ともとられかねないような言動が目に付き、批判の声も少なくなかったが、中国でもまた東京五輪によって「反日感情」が高まった側面があるようだ。中国メディアの快資訊はこのほど、「日本を目の前にすると、なぜ中国人は心穏やかではいられないのか」と題する記事を掲載した。
今回の東京五輪は、多くの中国人が高い関心をもって注目していたようだが、記事によると中国国内では東京五輪によって「反日感情の高まりが見られるようになった」という。その主な要因となったのが、卓球混合ダブルスで日本が中国に勝って金メダルとなったが、日本選手がボールに息を吹きかけていたことや、体操男子個人総合では日本選手が跳馬の着地で片足がマットからはみ出たのに、金メダルとなったことだという。
中国のネット上ではこの件について批判の声が多く上がり、「反日感情」が一気に高まったと記事は指摘した。卓球女子シングルスの準決勝で、中国選手が日本選手にストレート勝ちしたことで留飲を下げたが、中国ネットユーザーの中にはこの勝利を「抗日勝利」という人までいたそうだ。
中国のネット上を中心に盛り上がりを見せた「反日」の風潮には、中国人ネットユーザーのなかにも違和感を持つ人がいたようだ。あるネットユーザーは「オリンピズム(五輪精神)ではなく、反日精神が呼び覚まされてしまった」との感想を述べている。しかし、少しでも日本を擁護するような発言をすると、猛烈な反論が多数寄せられ炎上する傾向にあると記事は指摘している。
記事によると、このような現状に海外メディアからも「東京五輪は反日の新たな戦場になるのか」と懸念の声が出ており、「中国のネットユーザーは北京冬季五輪のために平和で友好的な一面を見せるべき」との意見があるという。それで記事は、「冬季五輪を開催するにあたり、中国はもっと好意的な意見を発信すべきではないか」と結んでいるが、東京五輪での反応を見るとあまり期待できないのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)