製造業の高度化を目指した政策「中国製造2025」を打ち出し、製造強国になることを目指している中国だが、競争力の核となる「基幹技術」はまだ手にしていないという。中国メディアの騰訊はこのほど、中国がまだ手にしていない5つの基幹技術に関する記事を掲載した。
この全ての基幹技術を日本は握っているという。

 1つ目は「産業用ロボット」で、「中国の産業用ロボットの市場は世界一の規模」だが、ハイエンドのロボットは日本などからの輸入に頼っているのが現状だという。2つ目は「精密減速機とサーボモーター」だ。精密減速機は、日本の2社だけで世界市場の大半を占めていて、工業機械の「心臓」とも言えるサーボモーターも中国はほとんど海外メーカー頼みだとした。そのうち約半分のシェアを占めているのが日本企業だという。

 3つ目は「半導体の生産設備」だ。世界市場を占めているのは欧米と日本で、中国企業のシェアは非常に少ないと紹介した。中国では半導体の生産設備の需要が非常に大きいのに、かなりの部分を輸入に頼らざるを得ないのが現状だという。

 4つ目は「半導体材料」で、日韓独、それに台湾の企業でほぼ独占されていると伝えた。なかでも日本企業が占める割合は大きいようだ。中国にも半導体材料を生産する能力はあるが、シェアは非常に小さいと伝えた。最後に記事は「炭素繊維」の基幹技術について紹介した。
「新材料の王様」とも呼ばれるこの炭素繊維は、将来性はあるが日米にほぼ独占されているとした。

 記事は結論として、「中国には基幹技術がなく、工作機械や半導体チップどころではない」と伝えている。また「基幹技術はお金では買えない」とも指摘しており、他の技術とは違い、日本のように時間をかけて自主開発していくしかなさそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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