深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、南京騰亜精工科技(301125/深セン)が5月25日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1810万株を発行予定で、公募価格は22.49元。
公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2000年設立の民営企業で、19年に株式会社化した。釘打ち器具および建築用金属製品の研究開発、生産、販売を主業務としており、釘打ち器具の主力製品はガス釘打ち機および釘、ガスボンベで、自社ブランド製品で中国国内市場シェアを獲得するとともに、釘打ち機用の釘およびガスボンベはODM形式にて欧州市場で販売されている。また、新世代の電動釘打ち機として、リチウムイオン電池電動釘打ち機の開発も手掛ける。20年におけるガス釘打ち機の世界市場シェアは9.57%、ガスボンベは2.33%となっている。
 
 世界のガス釘打ち機市場規模は2019年に1億7000万米ドルに達し、25年には1億8500万ドルと穏やかに増加する見込みだ。
また、電動釘打ち機市場規模は19年の7億7800万ドルから25年には9億600万ドルにまで成長するとみられている。特に、中国ではガス釘打ち機の導入時期が遅かったため、世界平均を上回るペースで市場規模の拡大が見込める。
 
 建築用金属製品の主要製品はダクト、点検用パネル、サポートアングルなどで、主に日本の家屋に特化した製品をODM形式にて生産し、日本の複数のホームセンターに提供しているほか、日本の大手建築会社のサプライチェーンにも採用されている。2019年における日本の住宅向け通気口市場シェアは23.86%、点検用パネルは20.69%、サポートアングルは4.16%。
 
 日本では住宅の新築数が2016年以降減少しているものの、リフォームや修繕による金属製品の需要は環境に優しい住宅やスマート建築の流行に伴い旺盛であり、今後も拡大することが見込まれる。また、コスト低減のために中国など途上国から金属製品を調達するケースが増えており、日本の建築関連禁則製品輸入額は16年の3982億円から19年には4644億円と年平均5.26%のペースで伸びている。

 
 同社は先進的な技術開発能力、5500種類あまりの豊富な建築用金属製品ラインナップと柔軟な生産管理体制、国内外の成熟した販売ネットワーク、日本のホームセンターや建築業界をはじめとする良好なブランドイメージといった強みを持つ一方で、ここ数年は生産能力いっぱい、あるいは能力を超過する生産状況となっており、生産能力が不足していること、ガス釘打ち機の海外市場が開拓途上であること、経営規模が海外の大手メーカーに比べて小さく、競争力に影響していることなどがボトルネックだ。
 
 2021年12月期の売上高は4億7974万元(前期比30.64%増)、純利益は5447万元(同1.19%減)。22年1~3月期n売上高は1億87万元(前年同期比3.52%減)、純利益は1242万元(同7.47%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)