香港証券取引所での売買停止期間が18か月に達し、上場廃止の危機に陥っている中海重工集団(00651/香港)が9月30日、2021年12月期通期決算、および22年1~6月期の中間決算を発表した。
同社は1998年に香港証券取引所に上場。
19年8月に債権者が債務不履行を理由として裁判所に同社の清算を申し立てたが、22年6月13日の裁判所による審問で申し立てが棄却された。また、20年12月期通期および21年12月期通期決算報告をそれぞれ報告対象期間終了後3か月以内に提出できず香港証券取引所のルールに反したため、21年4月1日より同取引所での売買が停止したまま現在に至る。
なお、香港証券取引所の規定により、取引停止の要因の解決が見られないまま18か月連続で売買が停止した場合は取引所が上場廃止可能とされており、22年9月30日が売買停止期限となっていた。その中で、20年12月期通期決算は22年9月5日に、21年通期決算は同30日にようやく発表に至った。
21年12月通期の売上高は1億1549万香港ドルで前期比2.28倍、当期損益は3億9554万ドルの赤字で前期比32.51%の赤字減だった。22年1~6月期の売上高は1296万香港ドルで、前年同期の6483万ドルから80.00%減少した。主に、新型コロナの感染再拡大の影響により鉄鋼構造業務が一時停止したこと、造船事業の売上が不安定だったことが大幅な売上減の要因だ。売上の内訳は造船事業が894万ドル(前年同期比84.16%減)、駐車場・自動車電子事業が203万ドル(同30.79%減)、鉄鋼構造工事・取付業務が200万ドル(同63.46%減)となっている。当期損益は1億4643万ドルの赤字で、同3.73%の赤字増となった。
同社は今後の経営について「事業発展はなおも厳しい段階にあるが、グループの再建に向けた明るい要素が多くなっている。特に、2年あまり苦しんだ清算申請訴訟がついに完結したことで、グループの生存圧力が一部緩和した。