投資家心理がやや上向く流れ。米長期金利の低下が材料視されたほか、中国の政策に対する期待感も支えとなった。米経済指標の悪化を受け、9月利下げ観測が強まる中、昨夜の米債券市場では、米10年債利回りが5月上旬以来の水準に急低下している。また、中国の経済メディアは、中国人民銀行(中央銀行)が今年下半期に再び預金準備率を引き下げる可能性があると報じた。経済協力開発機構(OECD)は先ごろ、中国の景気刺激策が経済を支えると分析し、25年成長率予測を4.7%と前回の4.8%から小幅な引き下げにとどめ、26年成長率予測を4.3%と前回から据え置いている。ただ、上値は限定的。貿易問題を巡り米中首脳の電話会談が今週後半に予定されたと伝わる中、結果を見極めたいとして様子見ムードも漂っている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が4.3%高、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.0%高、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が3.5%高と上げが目立った。
セクター別では、本土・香港の不動産が高い。華潤置地や恒隆地産のほか、建発国際投資集団(1908/HK)が3.0%、中国海外発展(688/HK)と融創中国HD(1918/HK)がそろって2.2%、長江実業集団(1113/HK)が1.7%、新世界発展(17/HK)と信和置業(83/HK)がそろって1.3%ずつ上昇した。
半導体やクラウドの銘柄群もしっかり。華虹半導体(1347/HK)が2.8%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.1%高、ASMPT(522/HK)が1.4%高、微盟集団(2013/HK)が4.8%高、金山雲HD(3896/HK)が4.7%高、万国数拠HD(9698/HK)が3.2%高で引けた。
スマートフォン部材・組立の銘柄群も物色される。高偉電子(1415/HK)が5.6%高、瑞声科技HD(2018/HK)が3.6%高、舜宇光学科技(2382/HK)が3.0%高、比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が1.4%高、富智康集団(2038/HK)が1.2%高で前場取引を終えた。
半面、このところ上昇が続いた医薬セクターはさえない。信達生物製薬(1801/HK)が2.0%、石薬集団(1093/HK)と翰森製薬集団(3692/HK)がそろって1.5%、江蘇恒瑞医薬(1276/HK)が1.4%ずつ下落した。
本土マーケットも3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%高の3378.82ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが高い。保険・証券、自動車、通信、軍需産業なども買われた。半面、医薬は安い。消費、資源・素材、銀行、公益も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)