――2009年の金相場の見通しは?
長期トレンドとしては「買い」だと思います。米新政権による大型景気刺激策で米国の財政赤字が膨らむことにより、さらにドル安が進むことも懸念されていますから、金への資金逃避が加速する可能性はあると思います。そのため一本調子ではないにしても、昨年3月17日に付けた最高値1033.9ドル/オンスを視野に入れた動きとなると見ています。
円高が進めば東京金相場は相対的に下がりやすくなるので為替動向に注意を払う必要がありますが、ユーロに対してドル安となると、欧米市場で安定資産である金への需要が高まり、下値を支えることが期待できます。たとえば昨年10月の終わりにかけてユーロに対してドル高が進んだときに、金相場は一時下がりましたが、その後のドル安局面では値を戻しています。
――金融不安の拡大とともに、為替変動が東京金価格に及ぼす影響も大きくなっているとか?
ドル建相場が400ドル前後だったころは、ドル/円相場が1円動くと東京金価格は10-15円程度動いたのですが、最近では円が1円動くと東京金が20円以上も変動しています。今後も金相場は中長期的には上昇していくと思いますが、短期では為替の影響で乱高下を繰り広げると予想されます。
――当面の金価格の下値ラインは?
ワールドゴールドカウンシル(世界の主要鉱山会社によって構成される国際的な非営利団体)の需給統計から検証すると600-700ドル/オンスを下値と予想できます。ファンドの換金売りが再燃するなど、株安につられて直近の安値である昨年10月24日の681ドルを割り込まないことが前提とはなりそうです。
これまでの市場の動きを見ても、800ドルを割ると中国から、700ドルを割るとインドから大量の買いが入って下値を支える傾向にあるようです。テクニカルで見ても、681ドルを付けるまでの約2カ月間、価格の下落に反して、相場の過熱感を示すRSI(相対力指数)が上昇するという逆行現象が生じており、その点でも600-700ドル台が当面の下値ではないかと見ています。
――値動きの激しい状況下において、金の先物取引を行ううえでの注意点は?
基本的なことですが、必ず余裕資金の範囲内で、レバレッジは極力抑え目にして取引すること。相場が思惑と反対に進んだ場合は速やかな損切りも必要です。商品先物取引は短期で取引をするというイメージがあるようですが、レバレッジを株式信用取引なみに抑えてきちんとリスク管理をすれば、中長期を見据えた取引も可能となりそうです。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)
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