中国政府・僑務弁公室はこのほど、国外における中国系住民のイメージを扱ったリポート「海外同胞の文明的イメージを樹立するための調査研究」をまとめた。経済分野におけるルール無視や生活面での悪い習慣が中国系住民のイメージを損ねているなど、「嫌われる理由」を分析した。


 中国系住民のイメージが特に悪いのはイタリア、スペイン、フランス、英国、南アフリカなど比較的発達した国で、最近になり中国系住民が増えたという共通点があるという。

 同リポートは、「中国系住民はグループ同士での“内輪もめ”を激化させている」、「現地社会に溶け込むことも不十分」とも指摘。「少数の人間の犯罪行為が、中国系住民全体のイメージを著しく傷つけることになる」と論じた。

 リポートは一方で、「かつて生きるために海外に渡った中国系住民は、みずからの忍耐強い努力を続けた。現地に根づき、生業では絶え間なく発展を続け、素質そのものを向上させてきた。法律概念も高め、現地社会にも貢献するようになった」と指摘した。

 世界全体での中国系住民について、「中国の発展と国際的な影響力の向上にともない、急速に地位が向上」、「経済的実力を強め、素養も高い新たな中国系住民のイメージが形成されつつある」と楽観的な見方を示した上で、「一部の国と地域で、中国系住民のイメージは再び、危機的状況になっている」と警戒した。

 中国外交部領事局の魏葦局長は7月、「国外で中国系住民に絡むトラブルが発生した場合、かなりの案件が、中国系住民自身が招いた問題だ。否定できない」と述べた。主な問題点は「個人また中国系企業には法律意識が欠けており、商業道徳に違反する。現地社会ときちんとした関係を構築することができず、現地の風俗習慣にも無頓着。管理が粗暴で現地人従業員をないがしろにする中国系企業もある」ことなどという。
(編集担当:如月隼人)

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