今回史上最高値で競り落とされたのは、18世紀に清朝の雍正帝が着けていたとされる「東珠朝珠」だ。朝珠は清朝の高級官吏に着用が義務付けられていた装飾品で、中国東北部の川に生息する貝から生産され、非常に貴重される「東珠」でできた朝珠は、皇帝・皇太后・皇后のみが着けることができたと言われている。オークション開始から10分で61口の入札があり、最終的にある電話入札者が6000万香港ドルで競り落としたという。サザビーズはこの装飾品の価値を1000万元程度と見積もっており、見積額を大きく上回る落札価格となった。なお、落札者の素性は明かされていない。
オークションではこのほかにも、清朝の乾隆帝が使っていたとされる「太上皇帝」と刻まれた白玉の円璽がアジア人によって8500万香港ドル(約10億2600万円)で落札され、約5000万香港ドルの見積価格を大きく上回りこちらも玉璽品の世界最高落札金額を更新した。
オークション全体の取引額も、13億香港ドル程度という当初の予想金額を大きく上回る19億9800万香港ドル(約241億円)で過去最高を記録した。オークションを実施したサザビーズでは高値落札やオークション市場の盛況について、「中国皇室の秘宝に世界中から注目が集まっている表れ」と分析している。(編集担当:柳川俊之)
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