日本のアニメ文化が若者の間に浸透している中国で、金髪にメイド姿の「コスプレ少女」が街中を堂々と歩いている様子が中国新聞網など多くのメディアによって紹介された。

 とあるネットユーザーが掲示板に「金髪にメイド服、ピンクのサンダルを履き、手には大きなバッグといういで立ちの少女が、携帯電話で話しながら街中を歩いている。
行き交う人々はみな彼女に奇異の視線を浴びせていた」と書きこんだことから注目を集めたこの「コスプレ少女」は重慶市に住む17歳の少女だ。やはり日本のアニメが大好きだとのことで、メイドのほかにも、巫女やアンドロイドのコスチュームをあたかも普段着のように着こなし、外出するそうだ。

 この少女、昼間はずっと寝ていて、夜になるとインターネットカフェに向かい、そこで一夜を明かすという。ネットカフェではアニメを見るほかに、ネット上にあるバーチャル学校で日本語と寿司の作り方について勉強しているそうだ。そんな彼女の生活ぶりに対して、両親は特に何も言わないという。

 ニュースを読んだ複数の中国国内ユーザーが指摘しているように、彼女のような「コスプレ少女」は今や中国では珍しい存在ではない。もともと重慶の地元メディアが報じたニュースを全国のメディアが転載したのだが、そこにはもの珍しさというよりも、社会問題として取り上げた意図がありそうだ。家庭の問題、教育の問題、国産アニメの立ち遅れ、「90後」と呼ばれる90年代生まれの少年少女の心理の問題…「コスプレ少女」を通じて、中国国内に存在する様々な社会問題が見えてくる。(編集担当:柳川俊之)

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