蘭州水運局によると、蘭州市内を流れる黄河には現在、8隻の遊覧船が存在する。これらの大部分は1990年代に造られた船であるため老朽化が進んでいるほか、ほとんどの船で汚水処理システムが搭載されていなかった。
遊覧船の大半にはトイレが設置してあったが、ほとんどがみすぼらしいほど簡易なトイレであった。なかには船尾を板で仕切っただけのトイレや、船尾に穴をあけただけのトイレもあり、排泄物は直接黄河に流れていく仕組みになっていた。
遊覧船を所有する会社の多くは、遊覧船の購入費および運営費用が高額であることを理由に汚水処理システムの搭載を見送っていたという。甘粛省水路交通管理条例では水路に砂や泥、廃棄物を捨てることは禁じられており、大小便に関しては明確な規定が存在しないものの、廃棄物として扱われることになりそうだ。
管理部門は黄河に排泄物を垂れ流している遊覧船に対して改善するよう要求、今後は汚水処理システムの搭載されていない遊覧船に対しては経営許可の取り消しもあり得るとした。(編集担当:畠山栄)
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