全長5000キロメートルを超え、世界で5番目に長い河川である中国の「黄河」には多くの遊覧船が浮かんでいる。蘭州晩報によると、黄河に浮かぶ遊覧船の大半は汚水処理システムが搭載されておらず、搭乗した観光客の大小便が黄河に垂れ流しとなっている事実が明らかになった。
中国新聞網が伝えた。

 蘭州水運局によると、蘭州市内を流れる黄河には現在、8隻の遊覧船が存在する。これらの大部分は1990年代に造られた船であるため老朽化が進んでいるほか、ほとんどの船で汚水処理システムが搭載されていなかった。

 遊覧船の大半にはトイレが設置してあったが、ほとんどがみすぼらしいほど簡易なトイレであった。なかには船尾を板で仕切っただけのトイレや、船尾に穴をあけただけのトイレもあり、排泄物は直接黄河に流れていく仕組みになっていた。

 遊覧船を所有する会社の多くは、遊覧船の購入費および運営費用が高額であることを理由に汚水処理システムの搭載を見送っていたという。甘粛省水路交通管理条例では水路に砂や泥、廃棄物を捨てることは禁じられており、大小便に関しては明確な規定が存在しないものの、廃棄物として扱われることになりそうだ。

 管理部門は黄河に排泄物を垂れ流している遊覧船に対して改善するよう要求、今後は汚水処理システムの搭載されていない遊覧船に対しては経営許可の取り消しもあり得るとした。(編集担当:畠山栄)

【関連記事・情報】
深セン最大のダムに大量の糞尿が流入、市民の飲用水にも影響か(2010/05/21)
悪臭ただよう…屋台が汚水垂れ流し 住民激怒-重慶(2009/09/03)
ブタのふん垂れ流し 湖で悪臭プンプン-湖北省(2009/04/21)
メラミン・ミルク余波、垂れ流し廃棄で環境汚染-広東(2008/11/04)
アヒルのフンで川汚染、重慶市解決策に環保部納得せず(2008/03/31)
編集部おすすめ