秋の味覚、「上海カニ(中国語は大閘蟹)」を楽しみにしている人も多いが、中国では「稲田蟹」などと呼ばれるカニを薬品で処理した上で「大閘蟹」として売る業者がいる。薬品処理後は1、2日で“売り逃げ”るという。
中国新聞社が報じた。

 「稲田蟹」は、実際には川でとれるという。汚い川の場合も多く「汚染が心配なので、食べない方がよい」との声もある。暗緑色のねばつく汚れにまみれており、見た目も悪い。これをカニ洗浄用の「薬粉」を使ってきれいにする。

 薬粉を水に溶かすと、刺激臭がたちこめる。その中にカニを入れると、20分程度でよごれがきれいに落ち、見た目は「大閘蟹」とそっくりになる。カニが一斉にもがいて互いに体をこすりあうことも、汚れが落ちる上で“好都合”という。

 もう一度、水ですすぐと、素人目には区別がつかかくなる。「大閘蟹」と偽って売れば、価格は2倍以上だ。しかし、この薬粉には「強い殺傷能力」があり、カニは1-2日で死んでしまう。そのため、とにかく「売り逃げ」ることが商売の“コツ”という。


 本物の「大閘蟹」は、業界団体が品質を管理しており、出荷に際して「タグ」が取り付けられている。しかし、本物と見分けがつかない「タグ」が売られており、薬品で洗浄した「稲田蟹」につけられているという。(編集担当:如月隼人)

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