■容器ポイ捨てで「白い万里の長城」が登場
中国では1980年代から発泡スチロール製の使い捨て弁当容器が普及した。しかしその後、「環境を汚染する原因になる」との批判が高まり、生産を禁止する地域も増えた。
発泡スチロール製の弁当容器による「汚染」が特に問題になったのは、鉄道沿線だ。乗客が使用済みの弁当容器を窓から投げたり床に捨てた。乗務員が車内を清掃するが、弁当容器を含むごみを、そのまま外に捨てる光景も「日常茶飯事」だった。果物の皮などは時間がたてば腐ってなくなるが、分解されにく発泡スチロール容器が線路に沿って延々と残り、「白い万里の長城」などと批判の対象になった。
発泡スチロール製の使い捨て食品容器は現在でも生産・使用されている。プラスチックごみを原料とする、健康問題が発生しかねない製品も出回っているとされる。
■業界団体と政府当局、主張まっこうから対立
中国プラスチック加工工業協会は「使い捨ての発泡プラスチック食品容器を正しく知り、使用しよう」などとして、自然や健康に対して問題がない「緑色産品」として認めるよう求めた。
一方、中国政府・環境保護総局で「緑色産品」連合認証センターの曹磊部長は、「発泡スチロール弁当容器の生産やリサイクルの現状から判断して、緑色産品に認める基準を満たしていないことは、明らかだ」と、協会側の要望に応じる考えがないことを示した。(編集担当:如月隼人)
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