ニューヨーク・タイムズは17日、中国系米国人学者が殺虫剤に関する商業機密を中国に漏らしていた事件が発覚したと報じ、「経済スパイ」だと伝えた。

 今年45歳となる被告は、中国で生まれ、現在は米国の永住権を保有している。
被告は殺虫剤に関する専門家で、インディアナ州の化学研究企業で5年間勤続していた。被告は2008年に同企業をやめるまで、同企業の機密を中国側に引渡したほか、中国自然科学基金会から資金援助を受け、中国で米国在住時に勤務していた企業と同業種の企業を設立したという。

 そのほか記事では、中国関係の商業スパイ事件として、モトローラ社やゼネラル・モーターズ社、フォード・モーター社なども被害を受けたことがあると紹介し、中国政府が直接的に関与していないものの、商業スパイの受益者は中国政府であると主張した。

 中国現代国際関係研究院の長袁鵬副所長は18日、環球時報に対して、「経済スパイに関しては、米国こそが急先鋒である」と反論。続けて、「米国は経済スパイを持ち出して、経済発展の途中にあるわが国のイメージを失墜させようとしている」と主張した。(編集担当:畠山栄)

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