漢字の魅力に取りつかれた西洋人男性が、20年もの歳月をかけてあらゆる古典文書から書体サンプルを集めた漢字サイトを完成させた。その地道な作業ぶりに中国国内の専門家やネットユーザーから称賛の声があがっているという。
中国新聞網が伝えた。

 「中国を感動させた外国人」として称賛されているのは、Richard Searsさん。彼が制作したサイト「Chinese Etymology」(www.chineseetymology.org)は、任意の漢字を入力すると簡体字・繁体字それぞれの字形、広東語や台湾語の発音が表示されるほかに中国の古典書籍から引用した甲骨文字などの書体サンプルがずらりと表示されるようになっている。サイトの自己紹介欄には、にこやかな表情のRichardさんの写真とともに「皆さんで使用してください」とのメッセージが中国語と英語で掲載されている。

 先日、あるネットユーザーによって発見されたこのサイトは、次第に評判となり多くのユーザーから「20年の努力に頭が下がる」「文字を書く機会が少なくなっている中で、外国人が中国の文字に心酔していることが感慨深い」と賛辞が寄せられるようになった。また、専門家からもその仕事ぶりを評価する声が挙がっているが、「自己の研究ではないので学術的価値はない」と断りが入っているところが学者らしい。

 なお、現時点でRichardさんに関する情報はこのサイト以外では入手できておらず、国籍・素性不明の「謎の外国人」とされている。ネットユーザーたちは、彼の素性が明らかになることを待ち望んでいるようだ。(編集担当:柳川俊之)

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