中国江西省の小学校が学校内のトイレにバケツを設置し、男子児童の尿を集めて製薬会社に寄贈していたことが分かった。中国新聞網が伝えた。


 江西省南昌市新建県の複数の小学校が、男児の尿を収集していた。市民からの通報によると、小学校のトイレ内にある日突然、赤いプラスチック製のバケツが便器代わりに並ぶようになったので、不思議に思ったという。生徒のひとりは「バケツは毎日取り換えられています。何のためかは教えてもらっていません」と述べた。

 小学校の職員は「子どもの尿を欲しがる製薬会社があるので、業者に収集させている。金銭は一切受け取っていない」と話した。小学校の付近には尿の収集を専門に行っている会社があり、集められた尿は製薬会社に送られ、ウロキナーゼと呼ばれる血栓を溶かす医薬品を製造するために使われている。公衆トイレで集めるよりも健康で質の良い尿が集まるため、小学校から収集しているという。

 医療の専門家によると、「小学生の尿は比較的質が良いとはいえ、品質に問題がないかどうか専門機関で調査する必要がある。個人レベルでの尿の収集は、安全性が疑問だ」などと説明した。

 地元当局は「児童の保護者から要請があったので、当面は尿の収集は中止する」と述べる一方で、健康面や安全性の問題がクリアされれば、尿の収集を再開する可能性を示唆した。(編集担当:西山正)
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