中国共産党機関紙の人民日報によると、モンゴルの首都、ウランバートルの中心部で「北京道路」が22日に開通した。沿道は大使館地区、大学地区、商業地区など、モンゴル国における政治と商業の中枢部分だ。
同道路はウランバートル市内の重要な交通路になるという。

 ウランバートル・ポストによると、同道路は中国政府が拠出した約60万人民元(約1016万円)で作られた、中国の「贈り物」の意味合いを持つインフラ施設という。

 人民日報によると、「北京通り」は22日に開通したが、ウランバートル・ポストによると道路部分の完工9月15日を見込んでいる。ただし天候により遅れる可能性がある。天候問題については、ウランバートルでは9月ごろにはすでに、気温が突然に氷点下に冷え込むことがあることを指すと見られる。また、立ち退きを拒否している住民もいるという。

 付属部分を含めた工事終了は11月ごろになるとみられている。

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◆解説◆
 ウランバートルはモンゴル語で「赤い英雄」の意。モンゴル語の発音は「オラーンバータル」または「ウラーンバートル」に近い。ウランバートルは古い時代から遊牧民族の中心的地方のひとつだった。古くは「フレー」または「クレー」と呼ばれたが、社会主義国であるモンゴル人民共和国が発足した1924年に改称した。「フレー」は「柵や壁で囲まれた場所」の意。


 「フレー」は中国語では「庫倫(クールン)」と書く。歴史的「クレー」の方が古い発音なので、中国語表記は古い発音が反映された。現在の中国語内モンゴルにも「フレー(庫倫旗)」と言う地があるので、「フレー」(現:ウランバートル)は「イフ・フレー(大フレー)」とも呼ばれた。

 モスクワなどの「クレムリン(クレムリ)」も語源はモンゴル語の「クレー」、「フレー」だとの説がある。モンゴルの支配を長年にわたって受けた中央アジアやロシアでは、モンゴル語起源の可能性がある地名が点在している。(編集担当:如月隼人)


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