中国新聞網は10月29日、2010年から今年9月までに中国に輸入された食品のうち、検疫当局が不合格とした食品が「7万7100トンにのぼることが明らかになった」とし、食品の輸出入に対する安全管理を強化する必要性について伝える記事を掲載した。

 記事は、国家質量監督検験検疫総局(品質監督検査検疫総局)の輸出入食品安全部門責任者が、10年から今年9月のあいだに中国各地の検疫当局が計110あまりの国・地域から輸入された1万3900ロット、7万7100トン、1億7300万ドル(約209億円)相当の食品について不合格としたことを明らかにしたと紹介。
不合格品はあらゆる種類の食品に及んでいたとした。

 そのうえで、この責任者が中国の食品輸出入の安全監督管理を取り巻く状況の変化について、「食品貿易の急速な成長」、「経済のグローバル化に伴う、世界の食品サプライチェーンの複雑化」、「世界的に食品安全問題が多発していること」、「遺伝子組み換えなど、新しい技術による食品の安全問題」の4点を挙げて説明したことを伝えた。

 そして、今年10月1日に施行された新しい食品安全法の要求を満たし、輸出入食品の安全を確保するために、当局が「輸出入食品の安全にかんする法体系の整備」、「輸入前、輸入時、輸入後それぞれのセクションにおけるもっとも厳しい監督管理体制の構築」、「食品恩安全を支援する科学的な体系づくり」、「国際協力への積極的な参加」の4点を進める必要があると論じたことを紹介した。

 新しい食品安全法は、食品の安全に関する「史上もっとも厳しい」法規と称されている。厳しいルールができたとしても、それを運用する人間がルーズであれば元も子もない。国内産食品の品質問題が社会問題化して以降、輸入製品に対する消費者の信頼が大きくなっている。それゆえ、信頼度の高さを逆手に取った粗悪な輸入食品に対する監督管理を強化する必要性が高まっていると言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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