ニュースなどでしばしば見られる、中国や韓国に対する日本人の好感についてのアンケート。その結果や伝え方には、どのような意味があるのだろうか。
中国メディア・澎湃は7日、「8割の日本人が中国に好感なし? 政治的色彩を帯びた調査には別の意図がある」とする記事を掲載した。

 記事は、先日日本のメディアによる報道の中で、内閣府が実施した調査において80%以上の日本人が「中国に対して親しみを抱いていない」と回答したという、過去最悪の結果が出たと伝えられたことを紹介。一方で、この調査について「全国から3000人の青年男女を抽出して実施したもので、有効回答数は約50%だという。この数字からは、決して日本人全ての考え方を示しているとは言えない」と論じた。なお、内閣府の発表したデータによると、有効回答数の割合は60%とされている。

 また、今年の調査(16年1月に実施し、3月に発表された内閣府の「外交に関する世論調査」)では73.3%が日中関係の今後の発展を重要視しており、その多くが20-40歳の年齢層だったと説明。「この大事な情報を、多くのメディアは無視している」と断じた。そして、多くの日本メディアは対中感情の悪化ばかりに着目し、その原因を「単純に外交・経済・軍事分野における行動に帰結させている」としたほか、「中国がすぐにでも日本に侵入してきそうなムードを喧伝しているのだ」、「内閣府の世論調査から得られる結論は、政治的色彩を免れず、日本政府の意思が表れているのだ」と解説している。

 記事は、「たとえ日本人の対中好感度が低くても、少なからぬ日本人は心中で日中関係が重要だと思っていて、中国語を真剣に学んでいる。なぜなら、彼らは中国の進む一歩一歩がみな日本に影響を及ぼす可能性があると深く認識しているからだ」と論じた。そして同時に、日中両国のネット上には相手国を誹謗中傷して楽しんでいる輩がおり、「それは、自分に自信がなく、相手に対する無知の表れとしか言いようがないのだ」と批判した。

 アンケートなどの調査は、その手法に問題がなく、結果に対する「加工」がなかったとしても、あくまでも参考資料の1つに過ぎず、そのデータを100%鵜呑みにするというのは浅薄で軽率な行為と言える。
そして、統計データというものは、往々にして何かの宣伝に用いられるということも、頭の片隅に入れておかねばならない。データが正しかろうが誤っていようが、どう伝えるかによって印象が全く変わってしまうのである。対中好感度も数値としては正しいのかもしれない。しかし、少しは疑ってみる姿勢も持っているべきなのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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