記事は、「これらの文字を組み合わせると、アイドルドラマの雰囲気がただよってくる」と、「名前の同質化」現象に対する懸念を述べ、その原因として、親世代がテレビドラマや小説の影響を強く受けていることや、「名づけアプリ」による助長も考えられるとの専門家の意見を紹介した。中国では、「王」、「李」、「張」姓の人口だけで約3億人にのぼるなど、少数の姓に人口の大半が集中している。このことも「同質化」に拍車をかける要因といえるだろう。
ところで、中国では漢字以外の名前はつけられないのだろうか? 記事によると、2007年に公安部が起案した氏名登録に関する規則に、「使用頻度の低い文字や外国の文字を使用してはならない」とする項目があったが、権利侵害ではないかとの社会的議論が起こり、廃案となった。2000年に定められた『中華人民共和国国家通用語言文字法』には、人名について「漢字を使用しがたい又は使用できない場合」に限り、ピンイン(中国語をローマ字で表音化したもの)等による表記を認める旨の規定がある。つまり、中国でも漢字以外の名前をつけることは、条件を満たせば規則上は可能である。
ちなみに、日本の2018年生まれの名前ランキングは、明治安田生命の調査によると、男児トップ3が「蓮」、「湊」、「大翔」、女児トップ3が「結月」、「結愛」、「結菜」となっている。ただし、これらは名前の表記のランキングであり、読み方のトップ3は、男児が「ハルト」、「ユウト」、「ソウタ」、女児が「ユイ」、「アカリ」、「ハナ」。中国の「名前の同質化」現象もさることながら、日本の「名前の読み方の超多様化」現象も、社会的影響の大きな問題といえるのではないだろうか。(イメージ写真提供:123RF)
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