新型コロナウイルスの流行は多くの教育機関に甚大な影響をもたらしている。学校が休校となり、教室に集まっての授業ができず、自宅待機を余儀なくされた生徒たちの学習の遅れが懸念されている。
こうした状況の中、各国では電話会議システムやアプリを利用したリモート授業が一気に普及し教育産業を大きく変えようとしている。中国でもリモート授業は大きな広がりを見せているが、日本やアメリカ、イギリスといった国でどのような対応がなされているのか。中国メディア中国新聞網が各国のリモート授業の様子を伝えている。

 まず、記事はアメリカの状況を伝えている。アメリカでもビデオ会議システムのダウンロードが急増し、今では多くの学校でZOOMなど多様なシステムが利用され、リモート授業に活用されている。とはいえ、その学習効果についてはまだまだ改善の余地があるようだ。今年4月にアメリカの教育サイトが14000人の学生を対象に調査を行った。それによると大学生と大学院生が、オンライン授業は教室での現場に比べ効果的ではないとの回答が約2/3に上った。さらに家にインターネット回線がない生徒もおり、学習の格差も大きな懸念材料になっている。

 その次にイギリスの状況を紹介している。イギリスではオンラインへの素早い切り替えがなされているようだ。イギリス人の生徒たちにとって今後オンライン授業がメインの方法になるのは間違いなさそうだ。
多くの家庭で、子どものオンライン学習の体制が整備され、教育機関ではオンラインの教育リソースを用意し対応している。また、大英博物館やBBCとったメディアも無料のシステムをリリースし、オンラインでの様々なコンテンツが見られるようになっている。とはいえ、多くの保護者がオンライン学習の効果を懸念している。やはり、イギリスでも引き続きこの点での改善が急務だろう。

 では、日本の状況はどうか。日本はまだまだ「オンライン教育普及の初期段階」にあると言えるだろう。多くの小中学校では教室、黒板を使った授業の体制から、オンラインへの切り替えが遅れている。6月1日の時点で、リモートシステムを導入できている大学や高校は6割にとどまり、3割の教育機関ではリモートと教室での授業の両方を利用している。現在日本でもオンラインでの教育システムは急速に発展し始めてはいるもの、普及としてはまだ初期段階と言える。さらに、インターネット環境の整備や、パソコンの購入状況については各家庭で異なり、リモート授業による「教育格差」の広がりが懸念されている。

 各国の状況を比較してみると、どの国も初期の段階をある程度脱しつつあり、今後はコンテンツやシステムの充実を目指している状況のようだ。一方で日本のオンライン授業の対応の遅れは顕著だった。
こうしている間にも各教育機関では日々の授業が進んでいる。子どもの成長も教育も「待ったなし」の状況だ。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)


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