米中関係は改善の兆しが見られず、ますます悪化しているように見えるが、今後はどうなるのだろうか。中国メディアの百家号は28日、「中国はレアアースという米国を攻撃する武器があるが、米国にも反撃する武器がある」と題する記事を掲載した。


 中国がレアアースを武器にするのは初めてではないことは日本人ならよく知っていることだ。スマートフォンや電気自動車の蓄電池のほか、軍用機のジェットエンジンや人工衛星、レーザーなどにも使用されるレアアースは、輸出が制限されると米国にとっては防衛面でも影響が出ることが予想される。中国は世界最大のレアアース生産大国であるため、中国がレアアースの輸出制限を行うなどすれば影響は避けられないだろう。

 そのうえで記事は、「中国はヘリウムの生産を始めた」と紹介。寧夏回族自治区塩池県では、中国で初となる商業的規模でヘリウムを生産できる施設が稼動したことを伝えた。とはいえ、この施設の生産量は年間20トンほどで、中国の年間使用量の4300トンには遠く及ばない。記事は「ヘリウム価格が上昇しているなかで、米中貿易戦争が長引いて中国がレアアースを武器とすれば、米国はヘリウムを反撃の武器とする可能性があるためだ」と指摘した。

 しかし記事は、中国には決定的なダメージを与えることはできないと主張。なぜなら、中国はヘリウム生産施設を数百建設して自主生産することが可能で、米国依存を減らせるからだという。ただ、それには「少なくとも10年はかかる」との見通しを示しており、短期的に打撃となるのは必至だろう。

 米国も過去の日本同様、レアアースの中国頼みから脱却しようと方法を模索しているという。記事は、国内のレアアース関連企業への優遇策を検討し、軍関連施設で国産品を進めるなどいろいろな策を取っていると伝えた。
しかし、米国もレアアースの中国依存からの脱却には「あと10年は必要」との見方を伝えている。

 中国はまたもレアアースを武器にしようとしているようだが、かつて日本への輸出制限が結果的に自分の首を絞めることになった教訓を学んではいないのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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