新PB「ファミマル」 誰にでも分かりやすいブランドに 売上比率30%→35%目指す ファミリーマート
「イメージで負けていた」。反省を語る足立光氏(ファミリーマート)
ファミリーマートは、新PB「ファミマル」の展開を19日から開始した。

「長かった緊急事態宣言も明け、本部・加盟店が一丸となり下期を大いに盛り上げるためにも、さまざまな施策を打ち出す。
『ファミマル』は最大のチャレンジの一つだ」。18日の発表会において細見研介社長は宣言した。

これまでグロサリーや日用品の「ファミリーマートコレクション」と、中食や日配、冷食の「お母さん食堂」「同プレミアム」などに分かれていた同社PB。「ファミマル」ではこれらを統合し、大切な家族に安心して薦められる「ファミリークオリティ」をコンセプトに開発した。

足立光CMOは「お客様の視点からは、どの商品・カテゴリーが『ファミコレ』や『お母さん食堂』なのかが不明確だった。また『お母さん食堂』のネーミングとはイメージが一致しない商品もあり、ファミマのPBであることも分かりづらかった」と統合の経緯を説明。

他方で「お母さん食堂」のネーミングに関しては、性別役割分担の固定化を問題視した署名活動が話題を呼んだものの、今回の決定に直接関係はないとしている。

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「イメージで負けていた」。反省を語る足立光氏(ファミリーマート) ただ、「もっと多くの方に愛されるためにどうしたらいいか社内で議論し、あらゆる世代、性別の方に使っていただけるように考えた」(足立CMO)といい、社会の意識変化を受け止め多様性やジェンダー平等の観点にも配慮したブランドであることをうかがわせた。

ユニバーサルデザインを取り入れた、誰にとっても分かりやすいパッケージもその一環。産地や製法、環境配慮などの情報を「アイコン」として掲載し、特に薦めたい要素を「アイキャッチ」として表示する。商品名などの表記についても方針を統一し、より伝わるデザインを目指した。


18日には全国紙に全面広告を掲載。「負けていたのは、イメージでした」として、PBのハンバーグについて「業界1位の会社」(セブン-イレブン)との消費者イメージの比較調査結果を紹介した。事前のイメージではセブンに大きく差を付けられたのに対し、試食後の感想ではファミマが逆転した。

足立CMOは「われわれはイメージでは圧倒的に負けている。今までいろんなコミュニケーションが不十分だった」と反省の弁。商品とともに、消費者へのアピール戦略にも磨きをかける構えだ。

「ファミマル」は加工食品やグロサリー・日用品約350品のほか、惣菜や冷食、弁当などの中食「ファミマルKITCHEN」、上質な素材や製法を採用した「同プレミアム」の3ライン合計約810品。「おいしい◎うれしい◎あんしん◎」をキーワードに分かりやすく魅力を発信し、現在30%のPB売上比率を24年度末までに35%に引き上げる計画だ。
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