ハウス食品グループ本社の浦上博史社長は、5日に開催した22年3月期第2四半期決算発表の席上、事業別概況や海外事業の進捗状況、また来年4月に統合するマロニーの事業について、次の通り話した。

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香辛・調味加工食品事業は特需の反動や認知促進のための宣伝費、業務用の生産能力増強に伴い償却負担が増幅した結果、減収減益になった。
健康食品事業は4月よりハウスウェルネスフーズの営業機能を統合。コロナ禍で外飲み機会が喪失され、収益の柱である「ウコンの力」が苦戦したほか、コンビニに偏重した販売チャネルの問題が浮き彫りになった。

海外食品事業は、米国の豆腐事業は引き続き需要が拡大基調にあり、前期にコロナの影響で立ち上げに苦労した新ラインの生産効率改善が進み、増収増益。中国のカレー事業は家庭用が前期の特需の反動から減収減益になったが、業務用が回復したことで事業全体では増収減益。タイの機能性飲料事業は、政府が実施した消費刺激策が追い風になり、前期並みの売上を確保できた。

外食事業の壱番屋は国内店舗売上高は前年を下回ったが、海外が大幅に回復して増収。のれん代償却の完了が利益を押し上げ大幅増益になった。

米国ではこの2~3年は環境面から大豆が注目されている。アジアマーケット中心から、米系マーケットがそれを上回るボリュームになっている。生産能力を増強するべく、昨年1月にLA工場にラインを増設。コロナ禍で立ち上げが遅れたが、ようやく稼働率を向上することができた。

しかし、次にまた増強をしないと間に合わない状況になっていて、23年9月ごろの稼働を目指して取り組んでいる。
また現在の2拠点に加えて、3拠点目の設立をケンタッキー州に準備している。米国事業はプラントベースフードの流れに乗って今後も伸長すると思われ、成長の柱事業として培っていきたい。

中国はカレー1本で伸び、当面も伸びしろを感じる。上海や深圳など1級都市に比べ2級以下は浸透していなかったものの、コロナで間口が広がった。今後はカレー以外に横の展開も必要となり、事業の幅、ラインアップをどう広げるのか新しい可能性を模索したい。

マロニーについては、生産機能をマロニー、販売機能は全国にベースを持つハウス食品が担う。マロニー商品の品質は高く、そこにわれわれの製品開発力を含む、新しい価値を提供できるようにしたい。同じグループのギャバンや壱番屋とはビジネスモデルが異なり、広告宣伝などで消費者にアプローチする方法がハウスともに似ていて、より大きなシナジーを創出できそうだ。チルド製品も基本は統合を考えるが、ハウスはチルドの販売機能が強くないので効果が出しにくい。マロニーに販売を残しつつ、今後検討していく。
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