雪印メグミルクと弘前大学は4月20日、共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」の第1期(2022~24年度)の成果と第2期の方針を発表した。第2期は研究成果の社会実装を見据え、食事指導や運動プログラムなどを通じた人々の行動変容にもつなげる。


 同講座は、乳の価値を栄養学の観点から科学的に解明することを目的に開設。青森県弘前市で20年以上続く「岩木健康増進プロジェクト健診」で得られた延べ約3万人規模、3000項目以上のビッグデータを活用し、栄養、腸内細菌、生活習慣などを横断的に解析している。

 第1期では、牛乳・乳製品の摂取量が多いほど骨代謝の悪化が抑えられる傾向を確認した。乳脂肪の違いによる影響もみられ、低脂肪タイプは骨強度、通常・高脂肪タイプは骨形成との関連が示唆された。腸内環境では特定の微生物が増加し、中性脂肪やLDLコレステロールの低下など脂質代謝への影響も示された。

 また、摂取量が多い人ほど収縮期血圧が低く、コップ1杯(約200グラム)以上の摂取者は非摂取者に比べ平均8.6㎜Hg低かった。

 カゴメとの共同研究では、野菜・果物摂取と終末糖化産物(AGEs)の関係も分析。摂取量が多いほど蓄積が抑えられる傾向があり、今後は乳との関連や骨質への影響も検証を進める。

 第2期は「研究成果の社会実装につなげる段階」と位置付け、よりターゲットを絞ったデータ解析も強化する。得られた成果を既存商品の訴求力強化や新素材・商品開発につなげる考えだ。ミルクサイエンス研究所食品機能研究室の三好雅也主査は、「第1期の知見を基に素材や商品に落とし込み、将来的に使える成果にしていきたい」と述べた。

 自治体や企業との連携も強化し、栄養と運動を組み合わせた健康増進プログラムや、メタボリック症候群など特定の生活習慣病に対応した予防・改善事業などを推進する。


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