パン粉の生産量はコロナ禍で落ち込んだものの、その後は再び増加し24年はコロナ前の16万t台に回復。だが、昨年は猛暑やコメ高騰を背景にした揚げ物離れなどが影響し、生産量は前年比5.3%減と落ち込んだ。
今年に入ってから減少幅は縮んだものの、1~3月は前年を1.8%下回っている。フライやコロッケの素材である、牡蠣やジャガイモの不作も一因と考えられる。
需要が低迷する厳しい状況に追い打ちをかけているのが中東問題だ。西日本パン粉協同組合が先般開いた会合では、参加メーカーから「何が上がっているか把握できないほど、あらゆるものの値上げが続いている」という切実な声が聞かれた。
主原料の小麦粉は4月の麦価改定に伴い、製粉各社が6月からの値上げをすでに発表している。一部のパン粉メーカーは「中小の製粉企業は生産量を落としており、このまま調達し続けられるか心配」と供給そのものを不安視する。
中東問題以降は「(包材メーカーから)着色のポリ袋を無色に変えて欲しいと頼まれたが、無色も供給が制限されている」「クラフトテープの使用量を減らすため、貼り方を工夫している」と資材不足に困惑するケースが増えた。
また、全国パン粉工業協同組合連合会の小澤幸市理事長は、品質検査に使用する器具が不足している現状を明かす。小澤理事長が社長を務める富士パン粉工業では、1日に200検体以上をサンプリングし菌数などを計測している。そこで使われるのがプラスチック製の使い捨てシャーレで、現在は医療機関に優先的に割り当てられるため、食品製造向けのものが3割程度減っているという。
小澤氏は「包材への影響が目立つが、石油関連製品の問題は多岐にわたる」と指摘する。
物流に関する懸念も増している。関西のメーカーは「送料が高く、遠方に送ると原価割れする」と話し、自社配送する地方のメーカーは「トラックのオイルがどこに行ってもなく、オイル交換するのさえ難しい」と困惑している。
さらに、最低賃金の上昇と人手不足による人件費の高騰は「中小企業が中心のわれわれの業界に大きな影響を与えている」(小澤理事長)のが現実だ。
こうした状況を踏まえ、多くのメーカーは7月以降、7%程度の値上げを実施する構えだ。西日本パン粉協同組合の金田氏は「特に包材は待ったなしの状況であり、時期をずらすことなく値上げを進めなければならない」と力を込める。
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